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「言わなきゃ分からない家事を見える化」 分担アプリ開発 スウェーデン

自宅で娘と料理をする女性(2023年7月28日撮影、資料写真)。(c)Ezequiel BECERRA/AFP

自宅で娘と料理をする女性(2023年7月28日撮影、資料写真)。(c)Ezequiel BECERRA/AFP

【AFP=時事】家事を誰が担当するのか。女性の負担率が多いことでも知られる家事について、「人に気付かれにくいタスクを見える」ようにして家族の間で分担・調整を行うためのアプリをスウェーデンの工学部の学生が開発した。

 今のところ、アプリのユーザーは2000人ほど。利用している1組の夫婦が、自分たちの家族のために設定した家事のタスクを見せてくれた。3歳と4歳の子どもがいる4人家族だ。

 携帯電話にインストールされたアプリの画面をスクロールすると、「子どもたちが帰宅したら上着を(洋服掛けに)掛ける、袋から体操着などを取り出す、洗い物をする、コンポスト(堆肥を作る)の容器を出す、などのリストが並んでいる。

 設定はシンプルだ。ユーザーは自分が選んだ家事のタスクをアプリに入力する。他の家族は進捗(しんちょく)状況をフォローし、そのタスクが終わっていない場合は「リマインダー」を送ることができる。

 アプリを考案したのは、工学部の学生で、最高経営責任者(CEO)を務めるビクター・フレドリクソンさん(23)。1年前、我慢の限界に達した父親から、部屋の片付けや洗濯をするよういちいち言わなくても済むようにアプリをプログラムしたらどうだと提案されたのがきっかけだったという。

「その言葉を文字通りに受け取り、クラスメートに相談」し、マーカス・パールマンさん(23)と共同開発して誕生したのが「アコード(Accord)」というアプリだ。

■家事をやりがいのある体験に

 9月に正式にリリースされた同アプリについて、フレドリクソンさんは、家事をやりがいのある体験に変えることが目的だと説明した。家族の誰かがタスクを完了した際には、感謝の気持ちを表すことができる仕組みにもなっている。

 家事を誰がこなしているかを明らかにすることで、性別による家事分担の格差を解消する助けにもなり得る。「家事について、家族同士でもっと話し合い、目に見えない仕事を見えるようにし、実際に誰が何をしているのかを目にして、議論を始めるきっかけをつくりたい」とフレドリクソンさんは話した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件

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朝日新聞社にてデジタルメディア全般を手掛ける。「kotobank.jp」の創設。「asahi.com(現朝日新聞デジタル)」編集長を経て、朝日新聞出版にて「dot.(現AERAdot.)」を立ち上げ、統括。現在は「DG Lab Haus」編集長。