月面着陸・探査プロジェクトを進める株式会社 ispaceが開発した「RESILIENCEランダー(月着陸船)」は、スペースX(Space X)のファルコン9に搭載され、1月15日15時11分(日本時間)、米国フロリダ州ケープカナベラルのケネディ宇宙センターから打ち上げられた。さらに、16時間44分には、RESILIENCEランダーの分離が完了したことが確認された。
月への高頻度で低コストの輸送サービスを目指すispaceは、小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を自社の技術で開発している。今回ランダーに搭載されているのは、
- 月面での水素・酸素生成実験を行う月面用水電解装置(高砂熱学工業株式会社)
- 月面環境での食料生産実験を目指した自己完結型モジュール(株式会社ユーグレナ)
- 深宇宙における放射能測定を行う深宇宙放射線プローブ(台湾・国立中央大学宇宙科学工学科)
- GOI(ガンダムオープンイノベーション)宇宙世紀憲章プレート(株式会社バンダイナムコ研究所)
さらに、以前当媒体でも紹介した月面探索用のマイクロローバー「TENACIOUS」と、ローバーに搭載されたスウェーデンのアーティストによる「ムーンハウス」と呼ばれる赤い小さな家だ。
ispaceの月面着陸への挑戦はこれが2度目。2023年4月に民間企業初の月面着陸を目指した1度目は、月面への着陸には至らなかった。その後、2024年2月に米国の民間企業インテュイティブ・マシーンズが月面着陸に成功している。
今後、ミッションが順調に進めば今年5月末から6月上旬には、月面着陸できる予定だ。
月面着陸など月でのビジネスを目指す組織は国や官民を問わず増えている。今回打ち上げられたスペースX(Space X)のファルコン9には、ispace以外にも米国のFirefly Aerospaceが開発した月面着陸船「Blue Ghost」も搭載されている。こちらは一足先の3月初旬に月面着陸が予定されている。