【AFP=時事】欧州連合(EU)は2024年、太陽光発電が石炭による発電量を上回り、域内で再生可能エネルギーが占める割合は47%に上った。
気候・エネルギー専門シンクタンク「エンバー」が23日、2025年版報告書「欧州電力レビュー」で発表した。
一方、天然ガスの発電量は5年連続で減少。化石燃料による発電量は「歴史的な低水準」に落ち込んだ。同報告書は「太陽光発電は2024年もEUの電力源として急成長を続け、石炭発電を初めて上回った。また、風力発電も天然ガスを上回り、原子力に次ぐEUの第2の電力源(の地位)を維持した」と指摘している。
全体として、太陽光発電と風力発電の急成長により、再生可能エネルギーの割合は2019年の34%から47%に増加。一方、化石燃料発電は39%から29%に減少した。
エンバーによると、再生可能エネルギーの拡大傾向は欧州全体で広がっており、特に太陽光発電の比率はすべてのEU加盟国で増大しつつある。
同報告書は「2019年以降に風力および太陽光の発電容量を拡大していなければ、EUは天然ガスと石炭をそれぞれ920億立方メートル、5500万トン多く輸入する必要に迫られ、590億ユーロ(約9兆6000億円)の費用がかかっていただろう」と指摘している。
一方で報告書の主執筆者クリス・ロスロー氏は、課題はまだ山積しているとし、「特に風力発電部門での取り組みを強化する必要がある」と述べる。また、再生可能エネルギーを最大限に活用するために欧州の電力システムの貯蔵容量を増強する必要があることも指摘した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件