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クリスティーズ初のAI作品オークション、大成功とはならず

米ニューヨークでクリスティーズの「Augmented Intelligence」のプレスプレビューで公開されたレフィク・アナドル氏によるAIアート作品「Machine Hallucinations - ISS Dreams - A」(2025年2月20日撮影)。(c)ANGELA WEISS/AFP

米ニューヨークでクリスティーズの「Augmented Intelligence」のプレスプレビューで公開されたレフィク・アナドル氏によるAIアート作品「Machine Hallucinations - ISS Dreams - A」(2025年2月20日撮影)。(c)ANGELA WEISS/AFP

【AFP=時事】米ニューヨークのクリスティーズで5日、人工知能(AI)で作られたアート作品のオークションが終了した。14日間のオンラインオークションでは、出品作品34点中14点は入札条件を満たさないか、最低落札予想価格に届かず、物議を醸しているAIアートの展望を示す結果にはつながらなかった。

 サザビーズも過去にAIが作成した作品をオークションにかけたことがあるが、クリスティーズがAIアート作品のみに特化したオークションを手掛けたのは今回が初。

 予想以上の価格で落札された作品は1点あり、著名なデジタルアーティスト、レフィク・アナドル氏によるアニメーション「Machine Hallucinations – ISS Dreams – A」は、最高価格の27万7200ドル(約4100万円)で落札された。

 だが、出品作品の目玉の一つとされていた米国人アーティスト、ピンダー・バン・アーマン氏の「Emerging Faces」には、条件を満たす入札はなかった。クリスティーズによると、オークションの総売上は72万8784ドル(約1億1000万円)だった。

 ニューヨークで2001年からデジタルアート作品を展示しているギャラリー「ビットフォームズ」の創設者、スティーブン・サックス氏は「新たなメディアとAIをもっと代表するような作品が出品されていればよかったかもしれない」と指摘。「もっと大きな議論は、こうした作品をもうオークションにかけてもよいのかどうかだ」と述べ、AIアートに対する人々の理解が深まり、アーティストが信頼と知名度を得るにはまだ時間が必要だと思うと続けた。

 今回のオークションをめぐっては、アーティストたちによる中止を求める請願運動も起き、約6490筆の署名が集まった。署名に参加した人々は、一部の作品は「知的財産法で保護された作品の無断使用が知られている」AIモデルの助けを借りて制作されたと主張。AIが作成したアートをオークションにかけるのは、「人間のアーティストの作品の大規模な盗用」による利益享受を許すことになると訴えた。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件