X(旧ツイッター)のロゴ(2023年10月30日撮影)。(c)SEBASTIEN BOZON:AFP
【AFP=時事】X(旧ツイッター)が大規模なサイバー攻撃を受けたと10日、オーナーのイーロン・マスク氏が同SNS上で発表した。政治的に物議を醸しがちな富豪のマスク氏が標的とされているのか、あるいは前身のツイッターの人員が大幅削減されたことに関連しているのか、原因をめぐり臆測が広がっている。
インターネットの接続障害情報を提供する専門サイト「DownDetector.com」によると、Xには10日の早い段階から不具合が発生。アジア、欧州、北米の利用者からアクセス障害の報告があり、同日中は接続が断続的だった。
マスク氏は「Xに対して大規模なサイバー攻撃があった(今も続いている)」と投稿。昨年、ドナルド・トランプ大統領とのインタビューの配信直前にサイトがクラッシュしたのもサイバー攻撃が原因だと主張したが、証拠は示さなかった。
マスク氏はまた、「DogeDesigner」という名前の利用者の投稿を引用。最新のサイバー攻撃は、自らが率いる政府効率化省(DOGE)への抗議や、最高経営責任者(CEO)を務める電気自動車(EV)大手テスラの店舗に対する破壊行為と一致する動きだとの見方を示唆した。
こうした攻撃には莫大(ばくだい)なリソースが必要であり、国家や大規模な組織的グループの仕業だと、マスク氏は推測している。ビジネスニュース専門局FOXビジネスのインタビューでマスク氏は、サイバー攻撃に使用されたコンピューターのデジタルアドレスの所在はウクライナ周辺のようだとし、Xでは正確な状況の解明に努めていると述べた。
サイバーセキュリティーの専門家は、X内部の運用状況を見ないと評価は難しいとしながら、今回の障害の持続時間は攻撃の兆候を示しているとの見方を示した。サイバーセキュリティー会社Deepwatchのチャド・クレイグル氏は「これは全面的なサイバー戦争だ」「マスク氏が注目を浴び、政治的緊張が高まる中、こうした攻撃には国家的な攻撃を示すあらゆる特徴がそろっている」と話した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件