【AFP=時事】ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、太陽系外の惑星で初めて二酸化炭素(CO2)を直接観測したと、米国主導の研究チームが17日、英学術誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に発表した。遠方の惑星がどのように形成されるかについての手がかりが得られる可能性がある。
CO2の存在が観測されたのは、誕生からわずか3000万年という若い恒星「HR 8799」を公転する惑星系。「HR 8799」は地球から130光年離れている。この「HR 8799」惑星系に属する既知の4つの巨大ガス惑星すべての大気中でCO2が直接観測された。
観測にはウェッブ望遠鏡に搭載された観測装置「コロナグラフ」が使用された。コロナグラフを使うことで、明るい中心星の光を遮断し、その周囲に存在する惑星をより詳細に観察することができる。
論文の主著者である米ジョンズ・ホプキンス大学の天体物理学者ウィリアム・バルマー氏によると、通常、ウェッブ望遠鏡は太陽系外惑星が主星の前を通過する瞬間を捉えて、その存在を検出している。
2022年にはこの「トランジット法」によって、系外惑星「WASP-39」の大気中にCO2が存在することを間接的に検出した。だが、今回は「これまでのように主星の特徴的な光のパターンを観測するのではなく、実際に惑星自体が放つ光を捉えた」とバルマー氏は説明した。このプロセスは容易ではなく、「灯台のそばで懐中電灯を使ってホタルを見つける」ようなものだとたとえた。
バルマー氏によると、この惑星系に地球外生命が存在することは考えにくいが、かつて生命を宿し得る衛星を持っていた可能性はあるという。地球上の生命に不可欠なCO2は、地球外生命を探索する上で重要な観測対象となっている。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件