初期宇宙の銀河「JADES-GS-z14-0」。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の赤外線画像。米航空宇宙局(NASA)/欧州宇宙機関(ESA)/カナダ宇宙庁(CSA)/宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)提供(2024年5月30日撮影)。(c)HANDOUT/ESA
【AFP=時事】観測史上最も遠い銀河で、酸素の存在が確認されたとする研究結果が20日、発表された。初期宇宙の星々の進化が、これまで考えられていたよりもはるかに速かったことを示す新たな証拠となる。
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって昨年発見された銀河「JADES-GS-z14-0」は、地球からの距離が非常に遠く、その光が届くのに134億年を要する。つまり、これは宇宙が誕生したビッグバンから約3億年後の時点の姿を映し出している。
今回、オランダとイタリアの天文学者がそれぞれ率いた二つの研究チームは、チリ・アタカマ砂漠にある巨大電波望遠鏡「アルマ」を用いてJADES-GS-z14-0を観測した。欧州南天天文台(ESO)によると、研究チームは酸素の痕跡を検出し、ウェッブ望遠鏡が以前捉えていた兆候を確認した。これまで、初期宇宙に存在していた誕生直後の銀河には、水素やヘリウムなどの軽元素しか含まれておらず、酸素のような重元素が加わるのはさらに後の段階だと考えられていた。しかし、2チームの新たな研究によると、JADES-GS-z14-0には、これまで予想されていた量の約10倍もの重元素が含まれていることが明らかになった。オランダ・ライデン天文台のサンダー・シャウス氏は、「銀河の形成がこれまでの予想よりもはるかに早く進むことを示す証拠が増えている。
今回の研究結果でも、この銀河が非常に急速に形成され、また急速に成熟していることが示されている」と述べた。研究論文は、国際天文学誌「アストロノミー&アストロフィジックス」に掲載される予定。【翻訳編集】 AFPBB News