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韓国で「着るロボット体験」 2500人が殺到、高まる「重症患者からの関心」

「ウィム歩行運動センター」での室内トレーニング(c)KOREA WAVE

「ウィム歩行運動センター」での室内トレーニング(c)KOREA WAVE

【KOREA WAVE】ヘルスケア・補助器具などを手掛ける韓国のスタートアップ「ウィロボティクス(WIRobotics)」が、ウェアラブルロボットを活用した歩行専門運動センター「ウィム歩行運動センター」を開所したところ、1年間で2500人が来訪したことを同社は26日に発表した。

 歩行補助用ウェアラブルロボット「ウィム(WIM)」を体験でき、ロボットを活用した運動プログラムでマンツーマンの専門トレーニングを受けられる歩行運動センターは昨年3月に開設された。センターでは「ウィム」を装着できるだけでなく、理学療法士や健康運動管理士ら専門家の指導のもと、個別に最適化されたトレーニングプログラムを提供している。

 韓国国内にとどまらず、日本、アメリカ、カナダ、香港からも訪れている。来訪者2500人のうち928人がウェアラブルロボットを体験し、そのうち393人(42.3%)が体験後に購入の意思を示した。

 主な訪問者層は家族連れで、子どもが親の歩行状態について相談し、今後の運動目標を設定したうえで、「ウィム」を装着して歩行運動をするケースが多かった。また、物流や宅配、清掃作業員などの専門職従事者や、体力向上を目的とした訪問もあった。年齢層では、歩行に不自由を感じている70~80代のシニア層が全体の55%を占めた。80代以上が29.2%、70代が25.5%、60代が21.1%の順だった。訪問者の健康状態としては、重症疾患者が最も多く37.6%、次いで歩行困難者が30.3%、非障害者が19.6%、障害者が9.2%となった。(韓国で「非障害者」は「障害者ではない人」を表す際に使用されている。韓国でかつて障害のない人を「一般人」「正常人」などと表現してきた。だがこの場合、障害者を「一般的ではない人々」「正常ではない人々」というニュアンスでとらえられることになるため、さまざまな議論はあるものの、メディアなどでは「非障害者」という用語が使われている)

 特に重症疾患者では、脳卒中、パーキンソン病、筋疾患、がん治療後の患者が多く訪れた。歩行困難者には、関節炎、人工関節手術の前後、加齢による筋力低下を感じた人々が多く、ウェアラブルロボットによる歩行補助の効果を体験した。

「ウィム歩行運動センター」は、横断歩道をひとつ渡ればオリンピック公園につながっており、トレーナーと共に屋外での歩行トレーニングも可能となっている。センターの運動管理士であるソ・スンア氏は「屋外歩行トレーニングに対する会員の満足度は非常に高い。ウィム歩行運動センターでは、室内トレーニングに加えて、トレーナーと共に屋外のさまざまな地形を実際に歩きながら訓練ができる」と話している。(c)KOREA WAVE/AFPBB News|使用条件