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韓国で「ジブリ風」画像の氾濫に懸念の声 AI画風模倣めぐり国際的議論が加速

オープンAIのサム・アルトマンCEOが自ら、ジブリ風に生成されたアニメ画像をSNSで繰り返し投稿している=Xより(c)news1

オープンAIのサム・アルトマンCEOが自ら、ジブリ風に生成されたアニメ画像をSNSで繰り返し投稿している=Xより(c)news1

【KOREA WAVE】ChatGPTの画像生成機能「GPT-4o」が爆発的な人気を集めるなか、スタジオジブリの画風を模したイラストが大量に生成・拡散され、法的問題に発展する可能性が指摘されている。

 GPT-4oは公開から1週間で7億枚の画像を生み出し、利用者は世界で1億3000万人を超えたという。特にジブリ風の画像はユーザーの間でブームとなり、OpenAIのサム・アルトマンCEOも自身のSNSでジブリ調の画像を投稿し、商業的に活用する姿勢を示している。

 これに対し、米国の弁護士ロブ・ローゼンバーグ氏は、オープンAIがジブリ風のスタイルを使用したことについて、米連邦商標法(ランハム法)に違反する可能性があると指摘。他者のブランドイメージやスタイルを無断利用し、誤認を招くことで経済的利益を得る行為が問題とされる。また、ジブリ作品をAIの訓練に無断使用していた場合には著作権侵害も否定できないとした。

 韓国でも法的懸念が高まっており、「不正競争防止および営業秘密保護法」において、ジブリ風画像の無断生成は違法となる可能性があるという。同法では、他人の努力で生まれた成果を無断で営利利用し経済的利益を侵害する行為を不正競争とみなす。

 この問題に詳しいホ・ユン弁護士は「特定の画風を模倣するAIは原作者の利益を損なう」と述べ、大量生成されたジブリ風画像は文化的影響ではなく明確な商業利用だと指摘。別の弁護士も「画風が法的保護の対象になる」とし、無断反復利用は不正競争にあたる可能性が高いと語った。(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News|使用条件

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朝日新聞社にてデジタルメディア全般を手掛ける。「kotobank.jp」の創設。「asahi.com(現朝日新聞デジタル)」編集長を経て、朝日新聞出版にて「dot.(現AERAdot.)」を立ち上げ、統括。現在は「DG Lab Haus」編集長。