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世界市場狙う中国のスマートグラス 40言語対応、決済機能付きも

四川影目科技が開発したスマートグラス(撮影日不明)。(c)Xinhua News

四川影目科技が開発したスマートグラス(撮影日不明)。(c)Xinhua News

【Xinhua News】スマートフォンに続く次世代の情報端末は何か。その有力候補の一つ、中国のスマートグラスの最前線を見てみよう。

大勢の人が行き交う四川省成都市の天府広場でパトロール中の警察官、呉晗(ご・かん)さんはスマートグラスを装着し、道に迷っていた外国人観光客に30秒とかからず道案内した。呉さんによると、このスマートグラスはスマートフォンに接続するとリアタイムで翻訳でき、2人が同時に装着すれば互いの母国語で直接会話でき、言葉の壁を完全に取り除くことができるという。

同スマートグラスはハイテク企業の四川影目科技が開発した。回折光導波路イメージング技術を採用し、DeepSeek(ディープシーク)や豆包(doubao)など中国が開発した人工知能(AI)大規模言語モデルを組み込み、40の言語と90の方言に対応する。同社の劉宇(りゅう・う)オフライン市場ブランドマネジャーは「継続的に製品の改良を重ね、カメラ、ゲーム、バーチャル会議など多様な機能を備えている。日本やロシアを含む19の国と地域に輸出しており、今年は世界市場の開拓を加速させる」と意気込んでいる。

AI技術が進歩、成熟するにつれ、スマートグラスも中国で急速に発展している。米調査会社IDCの予測では、2025年の世界スマートグラス市場は出荷数が前年比26%増の1280万本に上り、うち国内出荷数は前年比2倍の275万本に上ることが見込まれている。

ハイテク企業の浙江省の杭州霊伴科技は17日、世界初となる決済機能を搭載したスマートグラス「Rokid Glasses」を発表した。決済アプリ「支付宝(アリペイ)」の「見るだけ決済」機能が内蔵され、ユーザーはスマートフォンが操作できない状況でも、スマートグラスで直接決済でき、決済効率が大幅に向上する。同製品は現在、世界全体の受注数が25万本を突破、6月末の納入開始を予定している。

中国の証券会社、中国銀河証券の調査リポートは、スマートグラスがスマートフォンに続く主要な情報端末となり、チップ、光学、センサー、委託生産(OEM)などの産業チェーンを高成長期へとけん引すると指摘している。(記者/陳子薇、蕭永航、余里)【翻訳編集】Xinhua News/AFPBB News|使用条件

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