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AI規制の国際協力は「困難」 グーグル・ディープマインドCEO

米カリフォルニア州マウンテンビューで開催されたグーグルの年次開発者会議「I/O」で登壇したグーグル・ディープマインドのデミス・ハサビスCEO(2025年5月20日撮影)。(c)Camille Cohen/AFP

米カリフォルニア州マウンテンビューで開催されたグーグルの年次開発者会議「I/O」で登壇したグーグル・ディープマインドのデミス・ハサビスCEO(2025年5月20日撮影)。(c)Camille Cohen/AFP

【AFP=時事】米グーグル傘下の人工知能(AI)開発部門、グーグル・ディープマインドのデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)は2日、AI規制に関する国際的な協力は必要だが「現在の地政学的な状況では」、達成は「困難」だと述べた。 

 あらゆる産業にAIが導入されつつある中、その利用をめぐっては、誤情報の拡散から雇用への影響、さらには技術的制御の喪失に至るまで、重大な倫理的問題が提起されている。

 AI研究によってノーベル化学賞を受賞したハサビス氏は、英ロンドンで2日に開幕したテクノロジーとカルチャーの祭典「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)」で登壇。人間の能力に匹敵する、あるいはそれを超える可能性を持つ汎用人工知能(AGI)がもたらす課題に言及した。

 ハサビス氏は「最も重要なのは、何らかの形で国際的な協力が必要だという点だ。この技術は国境を越えて展開され、すべての国に適用されることになるからだ」と主張。「非常に多くの国々が、AIの研究、データセンターの建設、あるいは技術のホスティングに関与している。だからこそ、何らかの意味のある枠組みを実現するためには、国際的な協力や連携が不可欠だと思う。しかし残念ながら、現在の地政学的状況では、それは非常に困難に見える」と述べた。

 今年2月に仏パリで開催されたAIサミットでは、中国、フランス、インド、欧州連合(EU)、アフリカ連合委員会(AUC)を含む58か国が、AIガバナンスに関する国際協調の強化を呼びかけた。

 これに対し米国は、J・D・バンス副大統領が「変革的な分野を潰しかねない」と述べ、「過剰な規制」に警鐘を鳴らした。また米国とともに英国も、同サミットが掲げた「オープンで」「包摂的」「倫理的」なAIを掲げる共同声明への署名を拒否した。

 こうした中でハサビス氏は2日、「技術が最終的にどの方向へ向かい、どのような問題が生じても対応できる賢明で柔軟な規制」の導入を提唱した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件