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ストリートビューで裸の後ろ姿公開、グーグルに賠償命令 アルゼンチン

グーグルのロゴ(2025年2月4日撮影、資料写真)。(c)GREG BAKER:AFP

グーグルのロゴ(2025年2月4日撮影、資料写真)。(c)GREG BAKER:AFP

【AFP=時事】自宅の庭で裸でいたところをグーグルストリートビューのカメラに撮影され、その後ろ姿をインターネット上に公開されたとして、アルゼンチン人男性がグーグルに損害賠償を求めた訴訟の判決で、控訴審は原告の訴えを認める判決を下した。

 男性は、2017年にアルゼンチンの小さな町でグーグルのカメラに全裸の後ろ姿を撮影された際、庭と道路は高さ2メートルの外壁で仕切られていたと主張し、尊厳を傷つけられたとしてグーグルに損害賠償を求めていた。男性は警察官で、自宅の住所も公開された。この出来事はアルゼンチンのテレビで報じられ、ソーシャルメディアでも広く共有された。

 一審は昨年、男性の訴えを棄却し、「自宅の庭で不適切な状態で歩き回っていた」男性に落ち度があると判断した。グーグル側は、外壁の高さが十分ではなかったと主張した。だが控訴審は、男性の尊厳が著しく侵害されたと判断し、グーグルに約1万2500ドル(約183万円)相当の損害賠償を支払うよう命じた。控訴審の判事らは、「これは、公共の場で撮影されたものではなく、平均的な身長の人よりも高い壁の向こうにある自宅という限られた空間で撮影された人物の画像だ。プライバシーの侵害は明白だ」「本件において、他者の生活への恣意(しい)的な侵害があったことは疑いようがない」と指摘。「原告の私的領域である自宅への侵入、そして尊厳を傷つけるという重大な過失に対する責任を(グーグルが)免れる正当な理由はない」「生まれたままの姿を世界にさらされたい人はいない」と続けた。

 判事らは、ストリートビューで撮影された人の顔や車のナンバープレートをぼかすというグーグルのポリシーを、第三者への危害を回避する義務を認識していた証拠として挙げた。だが、本件では、「写っていたのは原告の顔ではなく全身であり、この画像も防ぐべきだった」と指摘した。

 裁判所は、同時に訴えられている通信会社ケーブルビジョンSAとニュースサイト「エル・センサー」については、両社の行動が「グーグルの失策を浮き彫りにするのに役立った」として、画像の拡散に関する責任から免除した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件