スイス南西部のシオン空港から飛び立ったソーラーストラトス(2025年8月8日撮影・提供)。(c)AFP PHOTO : SOLARSTRATOS :RAPHAEL DOMJAN
【AFP=時事】スイスのパイロット、ラファエル・ドムジャン氏が、太陽光のみを動力とする電動飛行機の高度記録を更新し、9521メートルに到達した。同氏のチームが13日、発表した。
太陽光だけで成層圏への到達を目指すプロジェクト「ソーラーストラトス」は、12日にスイス南西部のシオン空港から飛び立ち、暖かい空気の上昇気流を利用して、15年前に打ち立てられた記録を更新した。これまでの太陽光飛行機の公認高度記録は9235メートルで、2010年にスイスのパイロット、アンドレ・ボルシュベルグ氏が操縦するソーラー・インパルス機によって樹立された。
5時間9分にわたって飛行を続けたドムジャン氏は「この喜びの瞬間を、何年もこの成果のために準備してきたすべての人々と共有したい」と述べ、溶けたスイスの伝統的なラクレットチーズで祝った。
新記録の認定は、世界航空スポーツ連盟の管理機関に送られたデータの確認後に決定される。「公式の航空高度記録として認められるのは、圧力高度を標準密度高度に補正した数値だ」とソーラーストラトスチームは説明した。
ドムジャン氏とチームは、有人の太陽光飛行機で成層圏に初めて到達することを目指している。スイスの緯度では成層圏は約1万2000メートルから始まる。チームは「この成果は、太陽光のみを使用して成層圏に到達する道のりにおける重要なマイルストーンを示している」とし、「太陽エネルギーと私たちの生物圏および地球の保護を促進する象徴的で壮大な挑戦によって人々の想像力をかき立てるというミッションの目標は、すでに達成している」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件