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韓国自動車産業に革命 ヒューマノイド導入で「半額カー」実現か

ボストンダイナミクスのヒューマノイドロボット「アトラス」=ボストンダイナミクス(c)KOREA WAVE

ボストンダイナミクスのヒューマノイドロボット「アトラス」=ボストンダイナミクス(c)KOREA WAVE

【KOREA WAVE】韓国の労使間で毎年、賃金交渉によってあつれきが続いている中、自動車産業にヒューマノイドロボットを投入すれば、人件費が10分の1の水準にまで抑えられるという分析が出て注目を集めている。

 最近開かれた電池技術シンポジウムでサムスン証券のチャン・ジョンフン研究員が「韓国バッテリーの回復ゲームとヒューマノイドロボットのバッテリー市場」というテーマで講演した。チャン・ジョンフン氏は、ヒューマノイドロボットが自動車産業のゲームチェンジャーとなり、半額の自動車を可能にすると主張した。

 チャン・ジョンフン氏は「現代自動車の国内工場の場合、平均時給は約38ドル水準だ」と述べ、「労組の影響力が大きい米国ビッグ3の自動車企業と比較すれば著しく低いが、グローバルな競争力という観点では依然として高いコスト負担だ」と指摘した。アメリカの完成車工場の時給は約65ドルで、労組との合意が反映された2027年基準では88ドルにまで跳ね上がるという説明だ。

 またチャン・ジョンフン氏は「自動車産業は自動化が進んだとはいえ、依然として組み立て・塗装・部品の取り付けなど、人員の投入比重が高い。労働コストの削減が業界最大の課題だ」と強調した。

 それに伴い、ヒューマノイドロボットが本格的に導入されれば、人件費の構造が急激に変わる可能性があるという。チャン・ジョンフン氏はテスラの「オプティマス」の事例を挙げ、「10万ドルのロボット1台を5年間、24時間稼働させた場合の時給換算は約14ドルに過ぎない。将来的に生産量が増えてロボットの価格が3万ドルまで下がれば、時給は5ドル水準まで下がる」と語った。

 これは中国の電気自動車工場における平均人件費(21〜22ドル)の4分の1、現代自動車の韓国工場の10分の1だ。生産性の面でもロボット導入の効果は大きい。チャン・ジョンフン氏は「現代自動車の工場が現在、2交代制で年間最大31万台の生産能力を持っているとすれば、ヒューマノイドロボットを投入することで、週末や夜間の制約なしに24時間稼働が可能となり、生産量は52万台へと約60%増加する可能性がある」と予測した。

 チャン・ジョンフン氏によると、労組との交渉という変数や人件費構造から自由なロボット人材が普及すれば、現代自動車の韓国工場における原価率は現在の79%台から40%前半まで下げることができるという。これは自動車の販売価格を半分程度に引き下げる、いわゆる「半額車」への道を開く要因になるとみる。

 ただ、チャン・ジョンフン氏は「ヒューマノイドロボットは依然として初期市場の段階にあり、コンピューティングチップ、アクチュエーター、バッテリー技術という三つの核心分野でのブレークスルーが必要だ。特にバッテリーの確保が今後、ロボットの大衆化の成否を分ける鍵となる」と指摘した。(c)KOREA WAVE/AFPBB News|使用条件

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