【東方新報】ロボットを購入しても使い方がわからない、技術トラブルの際に相談先が見つからない……。こうした課題に対応する世界初の「ロボット6Sショップ」が、中国・深セン市(Shenzhen)で開業した。販売・部品供給・アフターサービス・情報フィードバックに加え、レンタルと個別カスタマイズを組み合わせた「六位一体」のライフサイクル型サービスで、研究室の技術を市場や生活シーンに結びつける拠点となる。
7月28日、深セン市龍崗区のロボット劇場では、開業記念のデモンストレーションが行われた。黒いコートを着た10台の人型ロボットが腕や脚を動かしダンスを披露すると、8台の四足歩行ロボットが隊列を組み、跳躍や回転など高度な動作を実演した。来場者からは大きな歓声が上がり、人型ロボット産業が研究段階から実用化、エコシステム連携へと進む流れを示すイベントとなった。
深セン市龍崗区は、AI・ロボット産業の集積拠点であり、演算資源プールの整備や10億元(約204億3290万円)規模の産業基金の設立、データ集約サービスセンターの開設などを進めている。現在、同区には620社以上のAI関連企業と、1万2700社超のロボット関連企業が集積する。
■「見て・触れて・体験できる」
展示販売6Sショップは、技術データだけでは伝わりにくいロボットの性能を「体験型展示」として提供する「展示販売一体型」モデルを採用。来場者は人型ロボットの関節可動域を観察したり、ロボット犬との指令操作を試したり、生活補助機能を体験できる。こうした体験を通じ、ユーザーは技術への理解と信頼を深められる。
店内の「ロボット部品スーパー」には、サーボモーターやセンサー、減速機など主要部品がそろい、家庭用サービスロボットから産業用巡回ロボットまでの修理に対応。深セン市龍崗区AI(ロボット)署の趙冰冰(Zhao Bingbing)署長は「プロの技術チームが迅速に対応し、稼働停止時間を最小限に抑える」と話す。
■ワンストップサービスでユーザー支援
ショップ内には熟練エンジニアが常駐し、購入前後の相談から操作指導、故障診断、長期的な技術アップデートまでを一貫してサポート。企業向けにはカスタマイズ研修も提供し、オペレーターが各機能を使いこなせるよう支援する。
趙署長は「市場のニーズと技術の可能性を結びつけ、ロボットを『実験室の製品』から『生活に溶け込む道具』に進化させる」と述べる。
ショップではユーザー評価や稼働データを収集・分析し、製品改良や用途拡張に活用している。また、配膳ロボットや重量搬送ロボット、特定センサー搭載の研究用ロボットなど、多様な要望に応えるため、ハード設計からソフト開発、外観デザインまでを含むフルカスタマイズも行う。たとえば、博物館向けの案内ロボットには館内マップと解説機能を搭載、物流倉庫用搬送ロボットは負荷性能と経路計画を最適化している。
■産業集積で効率化
開業日には国内26社のロボット企業が技術開発や市場開拓での連携協定を締結。趙署長は「6Sショップは販売拠点というより、技術開発から実証、販売、データフィードバックまでをつなぐクローズドループシステムだ」と説明する。
現在、200社超のサプライチェーン企業が拠点を構えたい意欲を示し、人型・サービスロボット関連だけで約50社が集まる。1階には部品サプライヤー、上階には完成品メーカーが入り、研究・応用企業との対面連携が可能となる。
部品スーパーではネジ1本から制御システムまで即時調達でき、現場で互換性の確認も可能。開発担当者は「以前は部品調達に半月かかったが、今は半日で完了する」と話す。集約型の産業モデルは、コスト削減と開発効率化を大きく後押ししている。【翻訳編集】東方新報/AFPBB News|使用条件