【AFP=時事】アルバニアのエディ・ラマ首相は11日、世界初となるAI(人工知能)によって生成された閣僚を指名し、公共入札を監督させると発表した。AIによって官製談合などの「腐敗のない」入札を実現すると約束した。
ラマ氏は、5月の総選挙で圧勝した与党・社会党の会合で新内閣を発表し、アルバニア語で「太陽」を意味する「ディエラ」と名付けられた新「閣僚」を紹介。「ディエラは物理的に存在せず、AIによって仮想的に生成された初の(政府)閣僚だ」と述べた。ディエラは公共入札に関する全権を委ねられ、「100%腐敗のない入札を実現し、入札手続きに拠出されるすべての公的資金は完全に透明化される」という。
ディエラは、アルバニアの伝統衣装を着た女性の姿をしたAI搭載のバーチャルアシスタントとして1月に導入され、文書やサービスを提供する公式プラットフォーム「e-Albania」の利用を支援してきた。公式統計によると、「e-Albania」を通じてこれまでに3万6600件のデジタル文書の発行を支援し、約1000件のサービスを提供してきた。
ラマ氏は、近日中に議会で新内閣を発表する予定だ。特に行政における汚職撲滅は、アルバニアが欧州連合(EU)加盟を目指す上で重要な指標となっている。ラマ氏は、人口約280万人のアルバニアを2030年までにEU加盟に導くことを目指している。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件