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欧州の空港にサイバー攻撃 各地で欠航や長時間遅延の影響

独ベルリン・ブランデンブルク国際空港で、フライト情報表示板を見る乗客(2025年9月20日撮影)。(c)Tobias SCHWARZ/AFP

独ベルリン・ブランデンブルク国際空港で、フライト情報表示板を見る乗客(2025年9月20日撮影)。(c)Tobias SCHWARZ/AFP

【AFP=時事】欧州の主要な複数の空港が20日、チェックインシステムへのサイバー攻撃を受け、数千人の乗客にキャンセルや長時間の遅延が発生した。ベルギーの首都ブリュッセル、ドイツ・ベルリン、英国ロンドンの空港などが影響を受けている。

 欧州航空航法安全機構(ユーロコントロール)は、各空港から「乗客処理に関連するITシステムの混乱」が報告されているとした。ブリュッセル空港は、少なくとも10便が欠航し、さらに17便が1時間以上遅れたと発表。19日夜に「サイバー攻撃」を受けたと説明し、20日の運航スケジュールにも「大きな影響」が出ていると明らかにした。

 ユーロコントロールによると、航空各社はグリニッジ標準時(GMT)20日午前4時(日本時間同日午後1時)から同22日午前2時(日本時間同日午前11時)までの間、ブリュッセル発着便の半分を欠航するよう求められた。アイルランドのダブリン空港もX(旧ツイッター)で、ダブリンとコークの両空港で「軽微な影響」が出ていると明らかにしている。

 空港向けサービスを手がける米コリンズ・エアロスペースはAFPに対し、航空会社や空港のチェックイン・搭乗手続き用の共通システム「MUSE」に複数の空港で問題が発生していると説明。「できるだけ早く顧客のシステムを完全に復旧させるために懸命に取り組んでいる」とした。域内で利用客が最も多い英ロンドンのヒースロー空港も、チェックインや搭乗システムの「技術的な問題」を報告し、「出発する乗客に遅延を引き起こす可能性がある」としている。

 近年、サイバー攻撃やシステム障害によって世界各地の空港が混乱している。その背景には、オンラインで相互接続されたシステムへの依存がある。国連観光機関の事務総長特別顧問でもある航空専門家アニタ・メンディラッタ氏は、攻撃の背後に誰がいるのかを特定するのは困難だと述べ、「特定の空港ではなくソフトウエアに起因する混乱」であり、「感染の拡大を封じ込める」ことが重要だと強調した。

 フランスの航空宇宙企業タレスが6月に発表した報告書によると、航空セクターへのサイバー攻撃は2024年から25年にかけて600%増加した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件

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