【KOREA WAVE】韓国のウェブトゥーン業界が、日本や米国をはじめとする海外市場への進出を加速させている。国内クリエイターの販路拡大と、世界的な知的財産(IP)のウェブトゥーン化を通じて、韓国発コンテンツ産業の国際的影響力を高める狙いだ。
韓国の大手プラットフォーム「ネイバーウェブトゥーン(NAVER Webtoon)」は2025年9月24日(現地時間)、米国の著名なコミック出版社「ブーム・スタジオ(BOOM! Studios)」との協業を発表した。同社が出版し、世界で500万部以上を売り上げた人気作「Something Is Killing the Children」を含む4作品を、縦スクロール形式のウェブトゥーンとして再構成する計画だ。
ネイバーウェブトゥーンは8月、ウォルト・ディズニー・カンパニーと世界的コンテンツパートナーシップを締結し、北米市場での地位を一層強化している。ディズニーの代表的作品約100本を縦スクロール化し、さらにディズニーの漫画3万5000本を閲覧できる新たなデジタル漫画プラットフォームを開発中だ。ディズニーは同社株式の2%を取得したことも明らかにしている。
これに先立ち4月には「IDWパブリッシング」と、6月には「ダークホース・コミックス」と相次いで提携を発表。10月9〜12日に開催される「ニューヨーク・コミコン(NYCC)」には、ネイバーウェブトゥーンのキム・ジュング代表が出席し、クリエイター支援策を発信する。
一方、カカオピッコマ(Kakao Piccoma)が日本で運営する漫画・小説プラットフォーム「ピッコマ」は、アプリ分析会社センサータワーの集計で、2025年上半期に日本のアプリ市場全体で売り上げ1位を記録した。さらに、日本の調査会社インプレスが7月に発表した「電子書籍ビジネス調査報告書2025」では、「利用経験1位」「課金経験2位」となり、日本市場での圧倒的な存在感を示した。
ピッコマは、紙の出版漫画というアナログ領域と、縦スクロール型ウェブトゥーンというデジタル領域を両立する戦略で、日本の読者層を取り込んでいる。出版漫画を単にウェブ化するだけでなく、ウェブトゥーンを有料で提供する「ハイブリッド課金モデル」を導入したのは同社が初めてだ。また、単行本を1話ごとに分割販売する「話分割サービス」や、「待てば¥0」と呼ばれる時間制無料視聴システムを導入し、ユーザーの課金負担を軽減した。
ピッコマ傘下の制作スタジオ「Studio1pic」は10月1日、カカオページで新作ウェブトゥーン「双子王女として生き残る」を公開。韓国の原作小説をもとに韓国で制作し、先行して日本版ピッコマで配信され、好評を博した。Studio1picはこうした自社制作を通じて、韓国の作品と作家が海外市場へ進出するための橋渡しを担っている。
業界関係者は「漫画のデジタル化とグローバルIPの再生産を通じて、ウェブトゥーンがエンターテインメント産業全体の成長を牽引していく」と述べている。(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News|使用条件