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マスク氏の「xAI」がオンライン百科事典「Grokipedia」公開

米実業家のイーロン・マスク氏(2025年5月30日撮影)。(c)Allison ROBBERT:AFP

米実業家のイーロン・マスク氏(2025年5月30日撮影)。(c)Allison ROBBERT:AFP

【AFP=時事】イーロン・マスク氏が率いる人工知能(AI)開発企業「xAI」は26日、オンライン百科事典「Grokipedia(グロキペディア)」を立ち上げた。マスク氏は既存のオンライン百科事典「ウィキペディア」を「イデオロギー的に偏っている」と非難している。

 ベータ版となる「バージョン0.1」のサイトには、同日夕方までに88万5000件以上のコンテンツが掲載されていた。英語版ウィキペディアのコンテンツ数は、現時点で700万件を超える。

 マスク氏はサイトの立ち上げに際し、改良版となる「バージョン1.0」が公開予定だと明らかにし、「さらに10倍良くなる」と述べた。また、今回公開されたサイトについても「すでにウィキペディアよりも優れている」と主張した。

 マスク氏は公開後、自身のX(旧ツイッター)への投稿で「GrokとGrokipedia.comの目標は、真実、完全な真実、そして真実のみだ。われわれは決して完璧ではないが、その目標に向かって努力し続ける」と述べた。Grokipediaの公開は当初9月末に予定されていたが、マスク氏によると「プロパガンダを一掃する」ため延期されたという。

 マスク氏は以前からウィキペディアをたびたび批判しており、2024年には同サイトを「極左活動家に支配されている」と非難し、寄付の停止を呼びかけた。また8月には「ウィキペディアは編集体制が極端に左寄りであり、コミュニティ・ノートの決定的な情報源として使うことはできない」とも発言している。

 Grokipediaのコンテンツは、人工知能と生成AIアシスタント「Grok」によって生成されている。Grokipedia内のマスク氏に関する記事では、テスラとスペースXの最高経営責任者(CEO)である同氏が「技術の進歩、人口減少、制度的偏向などをめぐる幅広い議論に影響を与えてきた」と記されており、その多くはX(旧ツイッター)を通じて発信されているとある。また「報道姿勢が左寄りとされる既存メディアからの批判がある中で」とも記されていた。

 2001年に創設されたウィキペディアは、ボランティアによって運営され、主に寄付金で支えられている協働型の百科事典で、誰でもインターネット上で記事を執筆・編集できる。ウィキペディア側は、掲載内容について「中立的な観点」を掲げている。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件

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