
国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)の開会式で演説するブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領(2025年11月10日撮影)。(c)Pablo PORCIUNCULA:AFP
【AFP=時事】国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)が10日、ブラジル北部アマゾン地域の都市ベレンで開幕した。化石燃料からの脱却や地球温暖化ガス排出削減への取り組みが進まない中、会議は2週間にわたって行われる。
開催国ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領は開会のあいさつで、「気候変動を否定する者たちに新たな敗北を与える時が来た」と力強く訴えた。ルラ氏はまた、「恐怖をあおり、制度や科学、大学を攻撃する人々」を厳しく非難した。
会議に影を落としているのは、世界最大の産油国であり、第2位の温室効果ガス排出国でもある米国の不在だ。ただし、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事をはじめとする州や地方レベルの指導者らが11日に登壇し、国全体が行動を欠いているわけではないことを示す予定で、それぞれの気候政策や世界的な取り組みへの連帯を強調する。
国連気候変動枠組み条約事務局のサイモン・スティル事務局長は、「間違いなく、人類はまだこの戦いの最中にある」と述べ、「確かに手強い相手もいるが、われわれの側にも強力な味方がいる」と続けた。同氏はまた、今年、再生可能エネルギーが石炭を抜いて世界最大のエネルギー源となったことを挙げ、「市場の力が再生可能エネルギーに傾き始めている。10年前には想像もできなかった驚異的な進展だ」と指摘した。さらに、パリ協定が掲げる安全な温暖化抑制目標である1.5度(摂氏)を一時的に超えることはもはや避けられないと改めて確認し、問題の深刻さを浮き彫りにした。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件