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太陽以外の恒星でCMEを初確認 『ネイチャー』論文

ニュージーランド・ダニーデン上空に輝くオーロラ。11日に発生した強力な太陽嵐の影響(2025年11月13日撮影)。(c)Sanka VIDANAGAMA:AFP

ニュージーランド・ダニーデン上空に輝くオーロラ。11日に発生した強力な太陽嵐の影響(2025年11月13日撮影)。(c)Sanka VIDANAGAMA:AFP

【AFP=時事】天文学者らは、太陽以外の恒星で初めて「コロナ質量放出(CME)」を確認したと発表した。放出は極めて激しく、近くに惑星があれば大気を吹き飛ばすほどの規模だったとみられる。

 研究成果は12日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。太陽で発生する太陽嵐では、巨大なエネルギーの塊が放出され、地球や人工衛星に影響を与えることがある。太陽嵐によって空を彩るオーロラが生じることもある。

 研究論文によると、欧州各地に設置された世界最大級の電波望遠鏡ネットワーク「LOFAR(低周波干渉計)」の観測データを解析した結果、太陽系外の恒星で初めてCMEを確認した。

 LOFARを用いてブラックホールなどの極端な天体現象を探査してきた研究チームは、2016年5月16日のデータに、約1分間続いた巨大な爆発現象を発見した。爆発は地球から133光年以上離れた赤色矮星「StKM 1-1262」で発生していた。

 チームはこれをコロナ質量放出と断定した。論文の共同執筆者でパリ天文台のシリル・タッセ氏はAFPに対し、「既知の太陽嵐よりも少なくとも1万倍は強力だった」と述べた。

 今回の発見は、生命を宿す可能性がある系外惑星の探索にも影響を与える可能性がある。質量が太陽の10~50%の赤色矮星は、地球とほぼ同じ大きさの惑星を持つ確率が最も高い星とされているためだ。

 タッセ氏は、赤色矮星は「太陽よりもはるかに不規則で暴力的な振る舞い」を示すようだと指摘し、「こうした星は強力な嵐によって周囲の惑星の大気を破壊し得るため、生命や系外惑星にとっては過酷な環境であることを意味する」と語った。【翻訳編集】 AFPBB News

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