放送機器の展示会「Inter BEE 2025」が幕張メッセで開催(2025年11月19日〜21日)されている。AIの性能が向上し、実用に堪えるレベルになったことで、映像制作はもちろん、テロップの生成やキャスティング、広告審査など放送局のあらゆる業務での利用が提案されていた。
AIが普及することで、コンテンツ制作に関する業務は効率化され、より多くの映像コンテンツが生み出すことが可能になる。だが、AIが高度化すれば偽の映像の精度も高くなる。
「Inter BEE 2025」の展示会場では、NECが「偽・誤情報判別支援ソリューション」を提案していた。これはインターネットに流通しているコンテンツを、AIを用いて多面的に分析しファクトチェックを支援するソリューションだ。
ネット上のニュースなどのコンテンツは、テキスト、画像、動画、音声など複数種類のデータで構成されている。分析の方法は例えば画像については生成・加工の有無を確認。またテキストや音声は情報内容の正確さや出典の確認などの評価を行い、その結果に基づいてファクトチェックを実施する。
展示会場では、ニュース動画をアップロードすると、その内容に関しての評価レポートが表示されるデモを見ることができた。
他にも真偽チェックを支援するソリューションとしてNECには、SNSなどで拡散された画像を衛星画像や航空写真と照合することでその撮影場所を特定する「画像位置推定(クロスレビュー)」の技術がある。例えば災害で崩れたビルの様子を写した画像は、本当にその被災地にある建物なのか。過去の災害写真を流用したニュース画像としては誤った画像ではないのか。そうした疑義がある画像の真贋が判断できる。
NECでは今後、偽誤情報の疑いがあるSNSポスト検知機能なども提供し、メディアと接点を持つ多くの人が効率的にファクトチェックできる環境を整えていくという。
