
ブラジル北部アマゾン地域の都市ベレンで開催された国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)で演説するブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領(2025年11月6日撮影)。(c)Mauro PIMENTEL / AFP
【AFP=時事】ブラジル北部アマゾン地域の都市ベレンで開催された国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、新たな合意文書を採択した。化石燃料の段階的廃止に関する弱い条件を受け入れる形での合意となった。
会議には約200か国が参加し、2週間にわたって交渉が行われたが、主要排出国の米国はドナルド・トランプ大統領が協議を避けたため欠席した。
議長国ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領は、この協定が、分裂した世界が危機の中でも団結できる証しだと述べた。ルラ氏は、G20首脳会議のため訪問している南アフリカから、「国際社会は続けるか諦めるかの選択に直面した。われわれは前者を選んだ」と語り、「多国間主義が勝利した」と強調した。
しかし、より多くの成果を望んでいた欧州の閣僚らは、全プロセスが崩壊するのを避けるため、薄められた協定を受け入れたことを認めた。
欧州連合(EU)のウォプケ・フクストラ気候担当委員は「もっと多くを望んでいた。それを隠すつもりはない」と述べ、「少し抽象的かもしれないが、一緒に行動することには大きな価値がある」と付け加えた。インドは、ブラジル、南アフリカ、インド、中国の主要新興市場を代表して読み上げられた声明で、「意義のある」協定だと評価した。
世界で最も気候に脆弱な39か国が加盟する小島嶼国連合(AOSIS)は、この協定を「不完全だが必要な進展」と位置づけ、コンセンサスで運営される国際機関として重要だと述べた。数十の参加国は、石油、ガス、石炭からの脱却戦略がなければ交渉から離脱する姿勢を示していたが、採択された合意文書は化石燃料に関する以前の協定に言及するのみで、直接明記はされなかった。
議長のアンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ氏は「いくつかの問題について、より大きな野心を持っていた方がいたことは承知しています」と述べ、化石燃料からの自発的な「ロードマップ」を作成する案を提示した。ロードマップ案は、一時はルラ氏からの支持を受けて勢いがついたものの、サウジアラビアのような石油大国や石炭生産国のインドなどからの反対に直面した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件