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豪州のSNS禁止、各国の若者から賛否の声

オーストラリア・メルボルンで携帯端末を利用する若者たち(2024年11月28日撮影)。(c)William WEST:AFP

オーストラリア・メルボルンで携帯端末を利用する若者たち(2024年11月28日撮影)。(c)William WEST:AFP

【AFP=時事】オーストラリアでは今週、16歳未満のソーシャルメディア利用が世界で初めて禁止される。他国でも同様の取り組みを導入する可能性が高まっており、注目の的となっている。AFPは世界中の若者や成人から、オーストラリアの禁止措置について意見を聞いた。

■ムンバイ:「白か黒かではない」

 インド・ムンバイの海岸で、友人らとインスタグラムを楽しんでいた学生のジェナさん(19)は「ソーシャルメディアの制限は部分的に導入されるべきだと思う。何事も白か黒かではないから」と話した。「Z世代はとても活発で、ソーシャルメディアで本当にうまくやっている。特に若い起業家たちは素晴らしいことをしている」と述べたが、その一方で、成人向けコンテンツは子どもたちに「非常に悪い影響を与えている」とも指摘した。

 市内の公園で取材に応じたクリケットコーチのブールケさん(38)は、禁止措置が子どもたちの屋外で過ごす時間を増やし、インドでも「良い影響」をもたらす可能性があるとの考えを示した。

■ベルリン:「デトックスの助けに」

 ドイツの首都ベルリンで、ティックトックに投稿された若者の動画を見ていたルナさん(13)は「例えば、女の子なら瘦せていないといけないなど、こうあるべきというイメージが押しつけられることが多い。禁止は良いことだと思う」と話した。その一方で、エンノさん(15)は「自分は対象年齢なので、これらのサービスを全部諦めるのは正直難しい」とし、「禁止は少し極端だと思うが、(デジタル)デトックスの助けにはなりそうだ」と語った。

■ドーハ:「本当に愚か」

 AI生成の赤ちゃんが歌ったりインタビューに答えたりする動画を見ていたフィルダさん(16)は、禁止に賛成していない。「正直、本当に愚かだと思う」と話し、「政府が決めた場合、16歳の自分たちにできることはほとんどない」と続けた。また、カタールでは海外で暮らす家族が多く、「家族と話すのがとても難しくなる」とも述べた。

 同じくドーハに住むユセフさん(16)は、オーストラリアのような禁止は「少し厳しい」だけでなく、実際の運用も難しいと話した。「(禁止されても)VPNが使えるし、セキュリティを回避して新しいアカウントを作るのも簡単だ」と語った。

■ラゴス:「私たちはそれと共に生まれた」

 ナイジェリアの高校では、ミシェルさん(15)が試験勉強のために手書きのノートを見直していた。教室では携帯電話が禁止されており、制服姿の生徒たちは離れた机でそれぞれ勉強に励んでいた。「(オーストラリア)政府の意図は理解できる。今の学生たちは本当に気が散っているから」と話した。ただ、「でも、私たちはそれと共に生まれたし、やめたいとは思わない」とも述べた。

 一方、彼女の母親でイベントプランナーのハンナさん(50)は16歳未満の禁止に賛成だと言う。「ほとんどの親は、一日中子どもを見ていられるわけではないから」とその理由を説明した。

■メキシコ市:「自分を表現する」

 メキシコ市に住むアランザさん(11)は、ソーシャルメディアにアクセスできるスマートフォンを1年前に手にした。禁止については「正直、悲しくなると思う。時間を過ごす良い方法があまりないから」と話した。

 屋外のベンチで、アルゼンチンのニュースやミュージシャンのツアー日程をSNSで見ていたサンティアゴさん(16)は「いまの時代、ソーシャルメディアは自分を表現するためにとても重要だ。年齢は関係ない」と語った。その一方で「多くの誘拐がオンラインで始まる」とも強調し、「10歳や12歳の子どもたちは特に狙われやすい」と述べた。

■シドニー:「何の影響もないだろう」

 禁止について、家族の間でも意見は分かれている。レイトンさん(15)は「政府がやろうとしていることを理解しているとは思えないし、オーストラリアの子どもには何の影響もないと思う」と話した。しかし、彼の母親のエミリーさんは、禁止が子どもたちの「より良く、より『本物』の関係づくり」に役立つことを期待している。「私たちの若いころのように、友達と会う計画を立てて、直接会ってきちんと会話するようになると思う。曖昧なオンラインの友情ではなく」と話した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件