【AFP=時事】中米エルサルバドルは、米実業家イーロン・マスク氏率いるAI(人工知能)開発企業「xAI」が開発したチャットボット「Grok」を世界で初めて公立学校教育に導入する。ナジブ・ブケレ大統領とマスク氏が同日、発表した。Grokは「ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)否定発言」の疑いで捜査を受けている。
ギャングとの戦いで多くの人々から称賛される一方、人権侵害の疑いもかけられているブケレ氏は、規律と礼儀を重視し、多様なジェンダーを意識した話し方や言葉「インクルーシブ・ランゲージ」を禁止する教育改革を主導している。
xAIとエルサルバドル政府の共同声明によると、ブケレ氏は現在、「世界初の全国規模のAI(人工知能)活用教育プログラム」の展開も計画している。「今後2年間で、5000校以上の公立学校にGrokを導入し、100万人以上の児童・生徒にパーソナライズされた学習を提供する」という。
エルサルバドルとxAIが共同開発するこのシステムは、へき地であっても、子ども一人ひとりの学習レベルと学習ペースに合わせた指導を可能にするとされる。エルサルバドルでは、幼稚園から高校まで120万人以上が公立学校に通っている。
Grokは、ナチス・ドイツのアウシュビッツ・ビルケナウ強制絶滅収容所のガス室について、「大量処刑のためではなく、チフス対策のチクロンBによる消毒のために設計された」と投稿。「ホロコースト否定発言」の疑いでフランスで捜査を受けている。米国の研究者らは先月、マスク氏のオンライン百科事典「Grokipedia」に、疑わしい、あるいは潜在的に問題のある情報源からの引用が数千件掲載されていると指摘した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件
