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万博の「培養肉」展示を全国へ 大阪大学クラウドファンディングを開始

万博での展示(左)全国展開イメージ(右)(大阪大学リリースより)

万博での展示(左)全国展開イメージ(右)(大阪大学リリースより)

 大阪大学工学研究科は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で公開された「家庭で作る霜降り肉」の展示を全国の科学館で再現することを目指し、2025年12月12日からクラウドファンディングを開始している(実施は2026年2月9日午後11時まで)。

 本プロジェクトは、万博に足を運ぶことができなかった若い世代や子供たちに、最先端の培養肉研究の成果を直接見て知ってもらう機会を提供することを目的としている。

万博での実物培養肉の展示(クラウドファンディングのページより)

 同研究科が運営パートナーを務める「培養肉未来創造コンソーシアム」は、大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンにおいて、3Dバイオプリント技術を活用した「家庭で作る霜降り肉」ブースを協賛・展示した。

 この展示は、2025年12月上旬から大阪科学技術館で公開されており、次いで2026年には東京での開催も予定されている 。しかし、これらを日本全国の科学館へと順次展開していくためには、精密な展示機材の輸送費やメンテナンス費用が必要となる。

 巡回にあたって、1つの科学館での開催につきおよそ50万〜100万円の費用が見込まれることから、同研究科はクラウドファンディングサイト「READYFOR」を通じて、目標金額を500万円とする支援の募集を始めた 。

 培養肉は、将来的な人口増加に伴うタンパク質不足や、温室効果ガスの排出といった環境問題の解決策として世界的に期待されている。一方で、その社会実装に向けては、一般社会における受容性の拡大が大きな課題となっている。同研究科は、この展示を全国に届けることで、培養肉が食の選択肢の一つとなる未来の実現を後押ししたい考えだ 。

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