
Hisenseのメディアデーの様子(CES公式写真より)Consumer Technology Association (CTA)®
【AFP=時事】世界最大級の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が6日、米ラスベガスで始まった。スコットランドの発明家ジョン・ロジー・ベアードが世界初の機械式テレビシステムを開発・実演してから100年、各メーカーは人工知能の強化機能を備えた最新製品を会場に並べている。
市場調査会社アンペア・アナリシスによると、1日の視聴時間に占めるテレビの割合は、2017年初めの61%から昨年末には48%に減少した。同時期、スマートフォンの視聴時間はほぼ倍増し、21%となった。
こうした現象について米調査会社オムディアのテレビ部門研究リーダーのパトリック・ホーナー氏は「大画面を好むテレビ世代の高齢者と、スマートフォン、タブレット、またはノートパソコンでコンテンツを消費する若者との間の戦いだ」と述べる。同氏によると、テレビの所有率は世界的に横ばいか減少傾向にあり、また平均販売価格も横ばいか下落傾向にあるという。
販売台数が伸び悩む中、テレビメーカーが収益を守るためには、より大きく、よりスマートな製品をより高価格で提供することが必須となる。
今年のCESでも、巨大な画面を持つ製品が注目の的となった。各メーカーはその他、人工知能(AI)技術を活用したよりパーソナルな体験や画質を向上させる技術をアピールしている。もう一つの目玉は、LEDディスプレイで色を超精密に制御し、画質を劇的に向上させる技術「Micro RGB」だ。
テレビ販売で20年連続でトップのサムスン電子は、世界初の130インチMicro RGBテレビを発表。今後、製品にAIを組み込む計画を明らかにした。テレビを製造するメーカーでは、サムスンの他、ハイセンス、LG、ソニー、TCLもCESに出展している。
テレビに組み込まれるAIは、画質や音質の向上だけでなく、視聴者が見たい番組を見つけたり、視聴中のコンテンツへの理解を深めるために活用される。フォレスター・リサーチの主任アナリスト、トーマス・ヒュッソン氏は「出展ブランドがアピールするAI機能については、その性能がしっかりと発揮できるのかどうかを確認したい」と述べた。
eコマース大手の米アマゾン・ドットコムとウォルマートも、テレビの未来を形作るために競争を繰り広げている。ただし、競争が見られるのはハードウェアの販売台数ではなく、広告とeコマースでの分野だ。
ウォルマートは2024年末、テレビメーカー「VIZIO(ビジオ)」を23億ドルで買収した。これは、アマゾンが自社の「Fire」シリーズのスマートテレビや端末で、主に動画配信サービス「プライム・ビデオ」を通じた広告を活用し、物販の売り上げを伸ばしていることへの戦略的な対抗措置だ。
オムディアのホーナー氏は、「アマゾンは、アマゾンが販売する商品についての広告をテレビに表示させた。今度はウォルマートが、ウォルマートが販売する商品についての広告を表示させることになる」と説明した。
ウォルマートについては今後、自社ブランド「Onn」のテレビを毎月100万台以上販売し、ビジオと共に取得したオペレーティングシステムを活用して視聴者への広告配信事業を展開すると考えられている。広告販売の利益率は、製品としてのテレビを販売する際の利益率をはるかに上回るのだ。
ホーナー氏は「テレビはもはや、ハード販売から利益を得るためのものではない」とし、「テレビはリビングルームに置かれる広告配信デバイスであり、eコマースの売上を増やすためのツールだ」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件