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NASA、25年は記録的高温と報告 発表資料では「気候変動」触れず

米航空宇宙局(NASA)のロゴ(2023年6月21日撮影)。(c)Stefani REYNOLDS / AFP

米航空宇宙局(NASA)のロゴ(2023年6月21日撮影)。(c)Stefani REYNOLDS / AFP

【AFP=時事】米航空宇宙局(NASA)は14日、2025年の世界平均気温が記録的な高温水準となったとする年次報告書を発表した。一方、報告書と同時に公表された報道陣向けの資料では、「気候変動」への言及は一切なかった。人為的要因による地球温暖化を否定するドナルド・トランプ米大統領の姿勢に沿う形での発表とみられる。

 前回の発表は、民主党のジョー・バイデン政権下で行われ「この地球温暖化は人間の活動によって引き起こされた」と明確に述べられ、「熱波、山火事、激しい降雨、沿岸部の洪水の激化」を招いていると指摘されていた。前回の資料には、当時の米航空宇宙局(NASA)長官や上級科学者の長い引用文が含まれ、グラフィックやビデオも使用されていた。それに対し、今年の発表は、いくつかの重要な事実と数字を簡潔に述べた6パラグラフにとどまっている。

 発表内容の変化についてコメントを求めると、米航空宇宙局は「プレスリリースと公開されているデータは、公式の機関分析を提供している」とのみ回答した。NASAによると、2025年の地球地表の平均温度は、観測史上2番目に高温だった2023年をわずかに上回ったが、あくまで誤差の範囲内だとしている。

 欧州気候監視機関「コペルニクス気候変動サービス」や米国立海洋大気庁(NOAA)など、異なる手法やモデルを使用する他の国際機関は、2025年を観測史上3番目に暑い年と位置付けている。

 NASAの発表について、ペンシルベニア大学の気候学者マイケル・マン氏は、現在の米政府は「トランプ政権と共和党の支配下で石油国家となっている」と指摘し、「NASAの管理者が、気候変動を否定しようとする現政権の方針と矛盾する考えを隠そうとしても、まったく驚かない」と述べた。

 米気候研究機関「バークレーアース」の研究員は、「プレスリリースを出せただけでも喜ばしい」とし、「米国で気候問題に取り組む政府系科学者のほぼ全員が自己検閲を余儀なくされ、気候変動に対する人間の影響への言及を避けなければならなくなった」とAFPに語った。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件

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