【AFP=時事】政府は2日、水深6000メートルの海底から希少なレアアース(希土類)を含む泥の回収に成功したと発表した。試掘は、中国への依存を減らすことを目指す取り組みの一環。6000メートルの深海での試験は世界初とされる。
政府は、試料中のレアアースの含有量など詳細を分析する必要があるとしつつ、経済安全保障や総合的な海洋開発の観点から意義のある成果だとの認識を示した。
南鳥島沖の深海底から試料を回収したのは、地球深部探査船「ちきゅう」。周辺海域には、貴重な鉱物が豊富に存在すると考えられている。
世界のレアアース採掘量の約7割を中国が占めている。中国政府は、高市早苗首相が昨年11月に台湾有事に言及したことを受け、日本への圧力を強めている。中国政府は先月、日本向けの軍民両用品の輸出規制を強化した。これにより、日本側では中国によるレアアース供給が滞ることへの懸念が高まっている。
日本経済新聞によると、南鳥島周辺の海域には、世界で3番目に大きいとされる1600万トン以上のレアアースが埋蔵されていると推定される。この中には、携帯電話や電気自動車の高強度磁石に使用されるジスプロシウムが約730年分、レーザーに使用されるイットリウムが約780年分含まれているという。
国際戦略研究所(IISS)の上砂考廣氏はAFPに対し、南鳥島周辺でレアアースの安定的な採取が実現すれば、主要産業の国内供給網を確保でき、中国への供給依存を大幅に減らすための重要な戦略資産になるとの見方を示した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件
【編集部追記・参考リンク】JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)のリリース「南鳥島EEZ海域でのレアアース泥採鉱システム接続試験の状況について(速報)」
