【AFP=時事】米実業家のイーロン・マスク氏は8日、米宇宙企業スペースXの当座の目標について、火星に人類を送ることから、月面での居住地設立にシフトさせたことを明らかにした。
スペースXは、米航空宇宙局(NASA)と契約する企業として大きな成功を収めているが、火星移民計画については、目標を高く設定しすぎだとの批判が以前から出ていた。マスク氏の動きは、ドナルド・トランプ米大統領が米国人を火星に送る目標から、月面着陸を優先させるとした方向転換と一致している。
「知らない人のために言うと、スペースXはすでに月に自己成長型の都市を建設することに焦点を移している。これは10年以内に達成できる可能性があるが、火星では20年以上かかるだろう」と、マスクは「X(旧ツイッター)」への投稿で述べた。
マスク氏はこれまで、火星に人類を送る現実的な時期について何度か見通しを示してきた。2016年には、資金調達やロケットの計画要素が整えば、2024年にも火星への乗客の打ち上げが可能だと述べた。この見通しは、2011年にウォール・ストリート・ジャーナルに対して「最短で10年、最長で15~20年でスペースXの宇宙飛行士が火星に到達する」と語った後に出されたものだ。
一方のトランプ氏は、昨年末の米宇宙政策に関する大統領令で、スペースXが契約者となっているNASAのアルテミス計画の下で、2028年までにアメリカ人を月に送ることを目指すと述べた。これは、トランプ氏が「4年の任期が終わる前にアメリカの旗を火星に立てたい」と宣言していた方針からの転換を意味する。
現在、アメリカ人はアルテミス3号ミッションで2027年半ばに月面に戻る予定だが、このスケジュールは何度も遅延している。業界の専門家は、スペースXで開発中の月面着陸機がまだ完成していないため、さらに遅れる可能性が高いとの見方を示している。
火星計画についてマスク氏は、スペースXが「火星の都市を建設することにも努力し、5~7年以内にそれを開始する」としている。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件
