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渋谷で国内最大級3,030機のドローンショー―バレンタインの夜空に「Earthshot」のメッセージ

渋谷の夜空にドローンが描く(主催者提供)

渋谷の夜空にドローンが描く(主催者提供)

 2026年2月14日、バレンタインデーの夜、国内最大級となる約3,030機のドローンを用いたスペクタクルショー「DIG SHIBUYA (ディグ シブヤ)2026 / Digital Garage DRONE SHOW “Earthshot”」(以下、ドローンショー)が開催された。

 このドローンショーは、デジタルガレージが始動させた“技術×文化×都市”を一体化した社会実装フェス「DG New Context Festival 2026」(以下、「NCF 2026」)の中核コンテンツのひとつとして位置づけられている。同時に渋谷区などが展開するアートとテクノロジーの祭典「DIG SHIBUYA 2026」(2月13日〜15日)のオフィシャルパートナープログラムとして実施された。

NCF 2026のバナー

 ドローンショーのコンセプトには「EARTHSHOT–“Moonshot” から “Earthshot” へ」が掲げられた。これは、60年前にケネディ大統領が宣言した月への挑戦「ムーンショット」の視座を反転させたもので、「遠く(月)へ飛ぶこと」ではなく、「ここ(地球)に立ち続けること」への意志——すなわち環境や持続可能性へのメッセージを、光と音、そして空間体験として描き出すことを目的としている。

 昨年同時期に同じ場所(代々木公園)で日本を代表するドローンテクノロジーを有する株式会社レッドクリフ協力のもと2,200機のドローンによるショーが開催されたが、今回はその台数を3,030機に増やした。大規模なドローンショーが期待され、代々木公園・けやき通りの会場には、昨年よりかなり多くの観客が集まり、開催を待っていた。

 ドローンショーの開催に先立ち、「DIG SHIBUYA 2026」を主催する長谷部健渋谷区区長は、「テクノロジーとアートをこの街(渋谷)で融合させながら、いろんなものを発信していきたい」と思いを述べ、「こういったイベントをこの街の定番にしていけたら」と会場に向けて話した。続いて株式会社デジタルガレージ代表取締役兼社長執行役員グループCEOの林郁はドローンショーのテーマである「Earthshot」について説明した。そして、夏の風物詩である「花火」に対し、テクノロジーの粋を集めた「ドローンショー」が冬の新しい風物詩になればと語った。

長谷部健渋谷区区長(左)と林郁デジタルガレージ社長(右)(主催者提供)

 19時25分、日向大介率いるencounterによりYMOの代表曲「テクノポリス」の演奏が始まった。そのサウンドに合わせるように3,030台のドローン群が夜空に姿を見せる。大量のドローン出現に、会場の観客からは大きな歓声が沸き起こった。そこからドローン群が夜空に「ロケット」「地球」などのメッセージを鮮やかに表現するたび、会場からは驚きの声が上がる。この間SNSには会場だけではなく、渋谷周辺の地域からも「ドローンショーを見た」という投稿が相次ぎ、まさにドローンが渋谷をジャックした夜になった。

ロケットの発進が描かれ客席は盛り上がった

 今回のドローンショーの他にもNCF 2026では、音楽家 坂本龍一氏をトリビュートして「AIの時代、日本から世界へ― JAPAN Outbound」をテーマに掲げ、音楽レーベル「Studio Garage」をデジタルガレージが新たに立ち上げたことも正式に発表された。そしてドローンショーに先立つ同日昼の時間帯には、同じ代々木公園エリアでアーティストによる音楽とアーバンスポーツのコラボイベントも開催された。

津軽三味線とBMXパフォーマンスの競演(主催者提供)

 コラボイベントでは、ヒューマンビートボクサー(口、鼻、喉などの発話器官のみを使い、ドラムや楽器音、様々な効果音を再現して音楽を奏でるパフォーマー)のTATSUYAと津軽三味線奏者の柴田雅人によるユニット「KAMiHiTOE(かみひとえ)」の演奏に合わせて、ステージ上でBMX(Bicycle Motocross)の第一人者Nao Yoshidaが自転車を自由自在に操り、踊るパフォーマンスを披露した。その中でKAMiHiTOEは「戦場のメリークリスマス」を演奏し、坂本龍一氏へのリスペクトを示していた。

喝采を浴びたパルクールステージでのパフォーマンス

 注目を集める都市型スポーツ「パルクール(Parkour)」の特設ステージでは、YOKOHAMA MONKEYSのメンバーが和太鼓の演奏に合わせて、縦横無尽に飛び回る忍者のようなパフォーマンスを披露し、外国人を含む多くの観客を集め、中でも子どもたちの多くが目を輝かせながら歓声を上げていた。

 情報を発信し続ける都市・渋谷で、新たな音楽、スポーツの形が示され、3,030機のドローンが描いた光景は、テクノロジーが社会に実装され、新たな文脈(コンテクスト)を生み出した瞬間として、参加者の記憶に刻まれたことだろう。

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