Open Innovation Platform
FOLLOW US

キャッシュレス先進国スウェーデン、現金決済受け付け義務化へ 戦争などの有事に備え

スウェーデンの国旗(2021年2月4日撮影)。(c)Jonathan NACKSTRAND:AFP

スウェーデンの国旗(2021年2月4日撮影)。(c)Jonathan NACKSTRAND:AFP

【AFP=時事】長年キャッシュレス革命を先導してきた北欧スウェーデンが今、方針転換を図り、国民に緊急時に備えて現金を手元に置いておくよう呼び掛け、食料品店や薬局に現金決済受け付けを義務付けようとしている。

 多くのスウェーデン人は何年も現金に触れておらず、現金決済を受け付ける飲食店、商店、サービス業はごくわずかで、ほとんどすべての取引がカード決済などのキャッシュレス決済で行われている。ほとんどの銀行支店でさえ、現金の預け入れや引き出しは行っておらず、インターネットバンキングサービスを利用するよう案内している。

 だが、スウェーデン中央銀行は今月、1週間分の生活必需品購入費用として、成人1人につき現金1000クローナ(約1万7000円)を手元に置いておくよう各家庭に勧告。さらに、一時的な混乱、危機、最悪の場合は戦争に備え、現金、クレジットカード、携帯電話のオンライン決済サービスなど、複数の決済手段を確保しておくよう国民に呼び掛けた。

 18日には、政府が食料品店と薬局に現金決済受け付けを義務付ける法案を議会に提出した。同法案は銀行に対し、顧客による現金預け入れを可能にすること、そして店舗や企業が日々の現金売上を預け入れるためのサービスを利用できるようにすることも義務付ける。

 スウェーデンのキャッシュレス社会への移行は、概ね迅速かつ円滑に進んでいるが、インターネットバンキングに不慣れな高齢者らから反対意見も上がっている。公式統計によると、スウェーデンの現金流通量は2008年比でほぼ半減している。

 エリック・スロットネル行政相は声明で、「社会のデジタル化は非常に急速に進み、多くの機会を生み出したが、一定のリスクも伴っている」「大きなリスクの一つは、特に高齢者の間でデジタルディバイド(デジタル技術を扱うことができる人とできない人との間に生じる格差)が拡大していることだ」と述べ、食料品店と薬局に現金決済の受け付けを義務付けることが「備えを強化する上で重要だ」と付け加えた。

 スウェーデンは、2022年にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、民間防衛体制と、いわゆる「全民衆防衛」体制を強化している。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件