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地球の蓄熱量が2025年に過去最高を記録、WMO報告書

アルゼンチン・チュブ州のパタゴニア地域にあるエプエンの山岳地帯で発生した森林火災(2026年2月1日撮影)。(c)Gonzalo KEOGAN:AFP

アルゼンチン・チュブ州のパタゴニア地域にあるエプエンの山岳地帯で発生した森林火災(2026年2月1日撮影)。(c)Gonzalo KEOGAN:AFP

【AFP=時事】地球に蓄積された熱量が2025年に過去最高水準に達し、その温暖化の影響は数千年にわたって続く恐れがある。国連が23日、警告した。

 WMO(世界気象機関)は年次報告書「世界気候の現状」を公表し、観測史上最も暑かった11年間はすべて2015年から2025年の間に集中していると発指摘。WMOによると、昨年は観測史上2番目か3番目に暑い年となり、1850年から1900年の平均気温を約1.43度上回った。

 国連(UN)のアントニオ・グテレス事務総長は「世界の気候は非常事態にある。地球は限界を超えつつあり、あらゆる主要な気候指標が赤信号を点滅させている」と述べ、「人類は観測史上最も暑い11年間を耐え抜いたばかりだ。歴史が11回も繰り返されるのは、もはや偶然ではない。行動を求める声だ」と訴えた。

 報告書には、地球システムに出入りする熱量の割合を示す「地球のエネルギー不均衡」が初めて盛り込まれた。ジュネーブに本部を置くWMOは、気候が安定していれば、太陽から入る熱量と宇宙へ放出される熱量はほぼ同等になる。しかし、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素といった温室効果ガスの濃度が「少なくとも過去80万年間で最高レベル」に達したことで、この均衡が崩れた。地球のエネルギー不均衡は1960年の観測開始以来、特に過去20年間で拡大しており、2025年に新たな最高値を記録した。

 セステ・サウロWMO事務局長は、科学の進歩によりエネルギー不均衡とそれが気候に及ぼす影響への理解が深まったとした上で、「人間の活動が自然の均衡をますます乱しており、われわれはその結果とともに数百、数千年にわたって生きていくことになる」と語った。

 過剰な熱量の91%以上は海洋に蓄えられており、海洋熱容量は2025年に過去最高を更新した。温暖化のペースは、1960年から2005年の期間に比べ、2005~25年の期間では2倍以上に加速している。海洋の温暖化は、海洋生態系の劣化や生物多様性の喪失、海洋による炭素吸収能力の低下など、広範な影響を及ぼす。また、熱帯・亜熱帯の嵐を増幅させ、極地の海氷減少を悪化させる。南極とグリーンランドの氷床はいずれも大きく質量を失い、2025年の北極海氷の年平均面積は、衛星観測史上、最小または2番目に小さい数値を記録した。昨年の世界平均海面水位は、衛星による高度測定が始まった1993年比で約11センチ上昇した。海洋温暖化と海面水位の上昇は、今後数世紀にわたって続くと予測されている。

 WMOのジョン・ケネディ氏は、世界の気候は依然として「ラニーニャ現象」の影響下にあると指摘。2026年中盤までには中立状態となり、年内には温暖化をもたらす「エルニーニョ現象」が発生する可能性があるとし、その場合には「2027年に再び気温が上昇する可能性がある」と記者会見で述べた。

 中東での戦闘が続き燃料価格が高騰する中、グテレス事務総長は警鐘を鳴らす。「戦争の時代において、気候のストレスはもう一つの真実を露呈させている。化石燃料への依存が、気候と世界の安全保障の両方を不安定にしているということだ」とし、「この報告書には『気候の混乱が加速している。遅れは致命的だ』との警告ラベルを貼るべきだ」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件

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