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ECB総裁、ユーロ建てステーブルコインに懐疑的 金融混乱助長の恐れ

写真は欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁。4月30日、独フランクフルトで撮影。REUTERS/Heiko Becker

写真は欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁。4月30日、独フランクフルトで撮影。REUTERS/Heiko Becker

[フランクフルト 8日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は8日、ユーロに連動する暗号資産(仮想通貨)ステーブルコインについて、ECBの中央銀行としての任務を阻害し、金融の混乱を助長する恐れがあるとの認識を示した。

 欧州ではソシエテ・ジェネラルなどの大手銀行が、ユーロに連動するステーブルコインの開発に取り組んでいる。

 ラガルド氏は講演で、ユーロ建てステーブルコインの意義は「見かけほど強くない」と指摘。市場が混乱した際に取り付け騒ぎの対象となりやすく、また金融政策を経済の隅々にまで浸透させるECBの能力を弱めることになると説明した。

「こうしたマイナス面は、資金調達条件やユーロの国際的普及に関する短期的なメリットを上回る」とし、「ユーロの国際的な魅力を強化するのに、ステーブルコインは効率的な手段ではない」と述べた。

 リスクの例として、米シリコンバレー銀行(SVB)破綻時のUSDコインの価値下落を挙げた。さらに、預金からステーブルコインへ大規模なシフトが起これば、企業向け融資に悪影響が出て金融政策の波及が弱まるとのECBの調査結果にも言及した。

 その上で、トークン化された商業銀行預金の方がステーブルコインより安全で、ブロックチェーン(分散型台帳)上で管理できるとして、より優れているとの認識を示した。

 欧州の規則では、ステーブルコインの発行体は準備資産の少なくとも30%を銀行預金とし、残りは国債など低リスクで流動性の高い金融商品で構成するよう義務付けている。

 ドイツ連邦銀行(中央銀行)のトイラー理事(銀行監督担当)は今週、ロイターのインタビューで、トークン化預金とステーブルコインはいずれも「極めて重要」としつつ、ステーブルコインにはリスクがあるとの認識を示した。

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