[8日 ロイター] by Manya Saini – 対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を手がけるオープンAIは8日、米国での新規株式公開(IPO)を非公開で申請した。投資家がAIブームの投資機会を模索する中、競合アンソロピックに続く動きとなる。
オープンAIはIPOの規模や条件を明らかにしておらず、上場時期もまだ決まっていないとしている。同社は声明で、「非公開企業として行う方が容易と思われる取り組みがあるため、上場までにはしばらく時間がかかる可能性がある」と述べた。
ロイターはこれまでに、オープンAIが最大1兆ドルの評価額を目指しており、早ければ9月にも上場する可能性があると報じていた。
米実業家イーロン・マスク氏の宇宙開発企業スペースX、アンソロピック、オープンAIと、評価額1兆ドル規模の企業3社が相次いで上場する流れとなる。スペースXは750億ドルの調達を目指しており、IPOとして過去最大規模となる見込み。企業価値は1兆7500億ドルに達する見通しだ。
コーディング支援ツール「クロード・コード」を手がけるアンソロピックは今月1日、米IPOを非公開で申請したと発表した。5月下旬には新たに650億ドルの資金を調達し、企業価値が9650億ドルに達したと発表していた。
セリティ・パートナーズのパートナー、マイケル・アシュリー・シュルマン氏は「アンソロピックが巨額の資金調達ラウンドを経て一歩先んじて(IPOを)申請する中、オープンAIは選択肢を残している」と指摘した。
将来の出来事の結果に賭ける予測市場では、参加者の大半が、アンソロピックよりも先にオープンAIがIPOを申請すると予想していた。オープンAIは2月、ソフトバンクグループやアマゾン・ドット・コム、エヌビディアなどから、8400億ドルの評価額で1100億ドルを調達したと明らかにした。同社はその際、チャットGPTの週間アクティブユーザーが9億人を超え、有料の個人ユーザーが5000万人を上回ったことも明らかにした。また3月には、月間売上高が20億ドルに達し、アルファベットやメタ・プラットフォームズなどインターネット・モバイル時代を象徴した企業と比べて約4倍のスピードで成長していると発表した。2024年末時点の四半期売上高は約10億ドルだった。
事情に詳しい関係者によると、オープンAIは直近の資金調達ラウンドで、30年まで黒字化は見込めないと投資家に伝えていた。大型IPOは米IPO市場に新たな勢いをもたらす可能性がある一方、本来なら中小規模の案件に向かうはずの資金を吸い上げる恐れがあると一部の銀行関係者は警鐘を鳴らす。
D・A・デビッドソンのマネジングディレクター、ギル・ルリア氏は「オープンAIが望まないのは、公開市場の資金が枯渇することだ」と指摘。「スペースXとアンソロピックがIPOで先行しているだけでなく、グーグルが先週実施したように、上場済みの大手競合も公開市場で各社数百億ドル規模の追加発行による資金調達を行う可能性がある」と述べた。
スペースXは今週上場する。
