[オタワ 10日 ロイター] – カナダ政府は10日、16歳未満のソーシャルメディア利用を禁止する新たなデジタル安全法案を議会に提出した。一定の安全基準を満たすプラットフォームは対象外になる。オーストラリアが16歳未満の交流サイト(SNS)利用を禁止した昨年以降、世界では同様の動きが相次いでいる。
政府当局者によると、同法案は安全基準を定めるデジタル規制当局を設置することで、対話型生成AI(人工知能)の安全性向上も目指している。規制に違反した企業は、世界全体の収益の3%か最大1000万カナダドル(720万米ドル)のいずれか多い方の制裁金を科される可能性がある。
ミラー・アイデンティティー・文化相は、ソーシャルメディアや対話型生成AIが多くの若者にとって不安やうつなどの精神的な問題の原因になっているとし、「この法律は若いカナダ国民により安全な環境を提供し、対面での交流や友情の構築、学校での集中、現実世界のスキルの習得を後押しし、彼らが健やかに成長できるようにする」と語った。
カナダでは2月、西部ブリティッシュコロンビア州の高校などで銃乱射事件が発生し、18歳の容疑者を含む10人が死亡。被害者の家族らは4月、容疑者が「チャットGPT」上で攻撃を計画していたことを把握していたにもかかわらず、開発会社の米オープンAIが警察に通報しなかったとして、同社などを提訴した。
こうした規制は、オーストラリアが2025年12月、世界で初めて導入。法律施行から1カ月で、SNS各社は10代の利用者計約500万人のアカウントを停止したという。
カナダ政府当局者は、法案成立には1年、成立後にデジタル規制当局を設置するには1年半かかる可能性があると述べた。
動画投稿サイト「ユーチューブ」を傘下に持つグーグルの広報担当者は、全てのプラットフォームでより高い安全基準を確立するためにカナダ政府と協力していく方針だと述べた。
フランス、デンマーク、ポーランドも子どものソーシャルメディア利用に関する規制強化を検討しており、ギリシャは4月、27年1月から15歳未満のアクセスを禁止すると発表した。
