国内最大規模のスタートアップカンファレンス「IVS2026」が7月1日、京都市勧業館「みやこめっせ」やロームシアター京都などをメイン会場に3日間の日程で開幕した。初回開催から20年目を迎え、通算33回目となる。今回のテーマは「Japan is Back(日本が戻ってきた)」 。世界の潮流を取り入れながら、ここ数年で裾野が広くなった日本のスタートアップの真価を世界に証明することを目指している。
今年の開催目標は、一般的な「IVS」エリアで10,000人、新たに新設された招待制の意思決定者向けエリア「IVS CORE」で1,000人の来場を見込んでいる。さらに、海外からの参加比率25%、世界70以上の国と地域からの参加実現を掲げ、グローバルな大交流の場となる。
初日に行われたオープニングセレモニーに登壇した面々からも
「今年は、定着から進化へ飛躍するターニングポイントでございます。皆様と共に、日本のスタートアップの底力を発信してまいりたいと思っております」(西脇京都府知事)
「挑戦者が新しいエネルギーや気づきを得て、日本の、あるいは世界のスタートアップの地平を開いていく。そんな力をこの3日間で得ていただければ、地元としてはこれほど嬉しいことはありません」(松井京都市長)
との声が寄せられた。
さらに、オープニングセレモニーの中では、今回から新たに設定されたクローズドなエリア「IVS CORE」(ホテルオークラ京都)からの中継も行われ、岸田元総理が登壇し挨拶を行った。
「IVS CORE」は経営者や機関投資家などの意思決定層のみが参加するクローズドなエリアで、原則として録画・録音・SNS投稿が一切禁止されており、濃密な議論ができる設計となっている。産学官の意思決定者が集い、具体的な意思決定やM&A、パワーマッチングが動く場として「日本版のダボス会議」となることを主催者側は期待している。
また、3日に決勝が行われる日本最大級のピッチコンテスト「IVS2026 LAUNCHPAD」への期待も高まっている。500社を超える応募の中から事前審査を勝ち抜いた15社が登壇を予定しており、今回はIT領域にとどまらず、ディープテックやグローバル展開を見据えた企業、過去最多規模の海外企業など、多様性と先進性に富んだ顔ぶれが揃う。優勝者には「スタートアップ京都国際賞」とともに、副賞として1,000万円の事業支援資金が用意されている。
ところで、京都でのIVSの開催は今回で4年連続、11回目となり、もはや “京の夏の風物詩”となりつつある。
本イベントが京都で開催されるメリットについて、京都府の西脇知事は、6月18日に行われた事前の記者会見で「IVSは一過性のイベントにとどまらず、開催後もエコシステムとして機能している」と強調した。実際に、昨年の受賞企業と府内の大学や企業との連携が進んでおり、京都をハブとした技術の社会実装や事業拡大につながる動きが生まれている。さらに、新たな挑戦の芽として、府内の高校生が起業に至るなど、次世代の育成という面でも具体的な成果に結びついているという。
スタートアップを支援する大小のイベントは、日本各地で行われているが、主催者側の意気込みが今ひとつ成果に繋がらない例も散見される。拡大し、賑わうだけでなく、スタートアップ・エコシステムが必要とする機能を提供し、イベントとしても進化する京都でのIVSの取り組みは、各地の同種のイベント関係者の参考例にもなるはずだ。
