宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、小惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星2001 CC21「トリフネ」への最接近および「超近接高速フライバイ探査」に成功したと発表した。小惑星「リュウグウ」の探査とカプセル帰還後の「拡張ミッション」における最初の大きな関門を見事に突破した。
今回の探査は、秒速約5.3km(小惑星に対する相対速度)という高速で移動しながら、トリフネの中心からわずか約800メートルという極めて近い距離を通過し、すれ違いざまに観測を行うというもの。JAXAの三枡裕也運用チーム長が事前に「沖縄から北海道にある1円玉を射抜くような難しさ」と例えたほどの超高精度な軌道誘導技術が求められた。
今回の成功によって実証された「超近接高速フライバイ技術」は、将来、地球に衝突する恐れのある天体に探査機を衝突させてその軌道を変える「プラネタリー・ディフェンス(地球防衛・宇宙防災)」の実現に直結する重要な成果となる。
初代「はやぶさ」の帰還から数々の歴史を紡いできた日本の小惑星探査。老朽化と戦いながらも新たな技術を証明し続ける「はやぶさ2」は、2031年に予定されている最終目的地の小惑星「1998 KY26」への到着に向け、今後もさらなる宇宙の旅を続ける。
