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中国AIの月之暗面が新モデル発表、「フェイブル」に迫る性能

中国の人工知能(AI)新興企業、月之暗面(ムーンショットAI)の創設者、楊植麟氏。3月25日に北京で撮影。 REUTERS/Tingshu Wang/File Photo

中国の人工知能(AI)新興企業、月之暗面(ムーンショットAI)の創設者、楊植麟氏。3月25日に北京で撮影。 REUTERS/Tingshu Wang/File Photo

[北京 17日 ロイター] by Laurie Chen- 中国の人工知能(AI)新興企業、月之暗面(ムーンショットAI)は17日、2兆8000億のパラメーターを持つ新モデル「Kimi K3」を発表した。学習済みモデルの中身を公開したオープンウエート型AIシステムとしては世界最大で、アンソロピックの最先端モデル「フェイブル」に迫る性能を持つという。

 Kimi K3は3兆パラメーターの大台に迫る初のオープンウエート型モデルで、高度な推論や長期にわたるプログラミング、知識労働向けに設計されている。100万トークンのコンテキストウィンドーを備え、1回の指示で従来世代より大幅に多くの情報を処理・保持できる。

 同社は画像処理半導体(GPU)の処理最適化において、Kimi K3は「フェイブル5」に補助的な仕組みを加えた場合と同程度の成果を示し、アンソロピックの「クロード・オーパス4.8」、米オープンAIの「GPT5.6ソル」「GPT5.5」を大幅に上回ったとしている。この技術はAI用ハードウエアの稼働率を最大化し、遅延を最小限に抑えるものを指す。

 同モデルは、第三者機関による評価でも優れた結果を示している。評価サイトの「アリーナ.ai」は、ウェブの操作画面(インターフェース)構築能力を測定する指標でKimi K3を首位に位置付けた。一方、バルズAIの総合評価ではフェイブル5に次ぐ2位となり、GPT5.6ソルを上回った。アーティフィシャル・アナリシスは、特に複雑で複数の工程を要する作業のテストにおいて、GPT5.5やクロード・オーパス4.8に匹敵する処理能力を発揮したと分析した。

 オープンウエート型モデルは、ソースコードを非公開とする商用モデルとは異なり、利用者が基盤となるシステムをダウンロードし、独自に運用やカスタマイズを行えるのが特徴だ。

 ロイターはこれまでに、香港上場のミニマックス(稀宇科技)も2兆7000億パラメーターの独自モデルを開発中で、早ければ今年第3・四半期にリリースする見通しのほか、最先端のマルチモーダルモデル「H3」も近く発表する計画だと報じている。

 兆単位のパラメーターを持つモデルの開発競争の背景には、複雑な推論作業をこなす自律型システムへの需要拡大がある。主要AI研究機関は、「再帰的自己改善」と呼ばれる自律的な自己改善能力を持つシステムの開発にも取り組んでいる。

 Kimi K3発表前は、美団の「ロングキャット2.0」とディープシークの「V4 Pro」が総パラメーター数1兆6000億で中国AI業界をリードしていた。他の複数の国内競合も1兆パラメーターの大台を突破している。

 アリババ集団や騰訊控股(テンセント)など大手の出資を受ける月之暗面は、能力と資本の拡充を積極的に進めてきた。

 ブルームバーグは先月、月之暗面が香港上場の可能性を視野に、約300億ドルの評価額で20億ドルの新規資金調達を目指していると報じた。

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