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AIエージェント関連サービスが活況 〜Open Network Lab第31期Demo Day〜

Open Network Lab第31期デモデイの登壇者と審査員

Open Network Lab第31期デモデイの登壇者と審査員

 2026年8月26日、渋谷パルコ18階の「Dragon Gate」にて、株式会社デジタルガレージが主催するシードアクセラレータープログラム「Open Network Lab」のデモデイが開催された。日本でも昨年後半からAIエージェントが大きな注目を集めているが、そうした状況も反映して、今回登壇した第31期の3チームは、全てAIエージェント関連のサービスを開発・提供していた。

 以下、各チームのピッチ内容を紹介する。

企業向けAIエージェント管理基盤

 最初に登壇したのは、株式会社RAYVENの鈴山佳宏氏だ。同社が開発するのは、企業向けAIエージェント管理基盤「Tumiki AI」だ。

 鈴山氏は、大手企業でAI導入の業務効果を検証した経験がある。そこでは業務の約7割を効率化できる試算が出たにもかかわらず、実際には導入は遅々として進まなかった。

「その理由は大きく3つある」と鈴山氏は分析する。AIにどこまで情報を渡すのかといった「情報保護」の問題、どの従業員にどこまでAIを使わせるのかといった「権限管理」の問題、そして何かあったときに説明できるよう、AIの行動を記録できるのかといった「行動記録」の問題だ。

「これは一社だけの問題ではなく、約92%の企業がAIの管理体制が整っていない状況があります。つまり、AIの普及スピードに企業の管理が追いついていないというわけです」

 同社の「Tumiki AI」が提供するのは「遮断」「権限管理」「記録」の3つの機能。まず「遮断」は、機密情報をAIに届く前に遮断(マスキング)する。2つ目の「権限管理」は、従業員の立場によってアクセスできるAIツールを管理する。そして3つ目の「記録」はAIの行動を記録する。

「これらによりAIの意図、判断、行動、結果、全てをログ(履歴)として残すことが可能となり、AIの利用を止めずに、企業のAI活用を進めていけます」

 同社が展開する事業は「Tumiki AI」の提供とAIエージェントの導入の2つで、SIer(システムインテグレーター)とパートナーシップを組むなどし、すでに多くの顧客への展開を進めているとのことだ。

 また、鈴山氏らが狙うAIガバナンス市場はまだ立ち上がったばかりであり、2030年には1.2兆円超の規模となることが見込まれているほか、「今後の展開としてはフィジカルAI領域のセキュリティにも対応していく」と述べ、会場の関心を集めていた。

株式会社RAYVENの鈴山佳宏氏

不動産営業に特化したAIエージェント

 続いて登壇したのは、株式会社Agentori(エージェントリ)のJohn Ahn氏だ。同社では不動産営業を効率化するAIエージェント「Agentori」を開発している。

 Ahn氏によると、不動産業界では物件に対する問い合わせに対して5分以内に返信できれば、成約に至る可能性が約21倍高まるという。さらに「入居者の約78%が最初に返信してくれた会社を選ぶ」という。

 しかし、営業担当者の多くは手作業で問い合わせ対応をしており、返信が遅れがちで、それが成約率を下げている。また物件在庫を確認するなどの調査にも時間がかかり「莫大な機会損失」が発生している。

 さらに、メール、ポータルサイト、カスタムソフトウェアなどワークフローが分散しており、これらを汎用的なAIソリューションで全て統合するのは難しい。「そこで『Agentori』が価値を提供します。私たちは全てをひとつの文脈(コンテキスト)にまとめます」

 同社では、顧客となる不動産会社の業務プロセスの全てを学んだうえで、どこにAIエージェントが必要かを見極め、実装する。さらに、実際に業務プロセスを回したうえで、パフォーマンス向上のための改善を繰り返す。

 その結果、最初の導入企業では「初動対応速度は3倍に向上」したことに加え「問い合わせ対応カバー率は約2倍」に増加。「獲得見込み客も30%以上増加」していると、その成果をアピールした。

 Ahn氏は、不動産営業の課題はグローバルなものであり、顧客は世界中に拡大していると自信をのぞかせた。

株式会社AgentoriのJohn Ahn氏

中小企業向け「AI社員」を提供

 最後の登壇者は、Colega AI IncのEric Fung氏だ。同社が開発しているのは、SNS運用などを自律実行するAI社員「Colega AI」だ。

 Fung氏は、日本では2030年までに600万人以上の労働者不足に直面すると予測されており、この影響を最も強く受けるのが中小企業だと訴える。実際にFung氏自身も中小企業を経営した経験があり、その際にあらゆる仕事を一人でこなさなければならず「人手」の重要性を痛感したという。

 そうした経験をもとに同社では、中小企業向けに設計・構築されたAI社員「Colega AI」を開発・提供している。Fung氏によると、このAIは、ChatGPTなどのように一日中話しかけたり、プロンプト(指示)を入力したりし続けないといけないAIアシスタントではない。「自律的なAIエージェントであり、自ら計画を立て、実行し、あなたに承認を求められるよう成果を届ける」という。

 たとえば、朝「Colega AI」(AI社員)からのテキストメッセージで目を覚ましたとする。その通知には、SNS用コンテンツ作成など、その日の複数のタスク(自分で行うと数時間、数日かかるような作業)の準備が完了していることが示されており、それらの実行について承認を求めている。あとは作業内容をチェックし、承認すればいいというわけだ。

 同社ではまずSNSコンテンツ作成と顧客対応を自動化するAI社員をリリース。今後は他の領域にも適用していくという。公開から6ヶ月間で1000回以上のアプリダウンロードと1000社以上の顧客を獲得し、日本全国の50%の都道府県にユーザーが広がっているとのこと。

「私たちの顧客は平均して約80%の時間を削減し、オンライン予約を25%以上増やしています。さらに、コストを、平均して月額20万円節約しています」

 また、国内外の投資家やスタートアップエコシステムからもサポートを受けており、さらなる成長を遂げるために多くのサポートを求めていると会場に訴え、ピッチを締め括った。

Colega AI IncのEric Fung氏

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審査の結果、「オーディエンスアワード」「ベストチームアワード」ともに、「Colega AI」を開発するColega AI Incが受賞した。各チームの今後の活躍に期待したい。

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