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ノーベル化学賞に東京理科大学の硤合憲三名誉教授ら、日本人2年連続受賞「自己触媒作用の発見」

写真は2026年のノーベル化学賞の記者会見の様子。スクリーン左は仏パリ第11大学のアンリ・カガン氏、右が硤合憲三・東京理科大名誉教授。10月7日、ストックホルムで撮影。提供写真。 TT News Agency/Fredrik Sandberg via REUTERS

写真は2026年のノーベル化学賞の記者会見の様子。スクリーン左は仏パリ第11大学のアンリ・カガン氏、右が硤合憲三・東京理科大名誉教授。10月7日、ストックホルムで撮影。提供写真。 TT News Agency/Fredrik Sandberg via REUTERS

[ストックホルム 7日 ロイター] – スウェーデンの王立科学アカデミーは7日、2026年のノーベル化学賞を硤合憲三(そあい・けんそう)東京理科大名誉教授(76)と仏パリ第11大学のアンリ・カガン氏(95)に授与すると発表した。授賞理由は「不斉有機合成における非線形効果と自己触媒作用の発見」。

 2025年に金属有機構造体(MOF)の研究で受賞した京都大学の北川進特別教授に続く2年連続の日本人の受賞となった。

 ストックホルムの発表会場に電話でコメントを寄せた硤合名誉教授は「人生で最も興奮した日の1つになった。アンリ・カガン教授とこの賞を分かち合えることを大変うれしく思っている」と喜びを語った。受賞の知らせを受けた時は買い物に出かけていたという。「1995年にこの触媒反応の手法を発見し、それ以来ずっとこの反応の研究に取り組んできた」と話した。

「右手型」と「左手型」の分子

 生命に不可欠な分子の多くは、左右の手のように互いに鏡像の関係にある二つの形で存在する。しかし、生物はほぼ例外なく一方の形だけを使っている。ギリシャ語で「手」を意味する言葉に由来する「ホモキラリティー」と呼ばれるこの現象は、1世紀以上にわたって化学者を悩ませてきた。

 2026年の化学賞は、化学反応を一方の鏡像分子だけができやすいよう誘導できる方法を示した発見に贈られた。この研究は、医薬品製造のための化学反応を設計する化学者にとって重要な役割を果たしてきた。

 ノーベル化学委員会のメンバー、ピーター・ソムファイ氏は「薬の左手型にはある作用があり、右手型には別の作用があり得る。そのため、それぞれを選んで作り分ける方法が必要になる」とし、「こうした方法を開発する上で、今年の受賞者の発見は重要だ。両氏はそのための強力な手段を提供した」と述べた。

パスツールの研究を土台に

 この問題を解決するまでの流れの出発点は、パスツールの研究だった。パスツールは、ノーベル賞が初めて授与される前に亡くなっている。

 パスツールは、ワイン製造で重要な酒石酸を調べていたとき、細菌が2種類ある酒石酸のうち一方の形、つまりブドウに天然に含まれる形だけを発酵させることに気付いた。もう一方の形では発酵が起こらなかった。

 これにより、一部の物質には二つの形があり、それぞれ性質が異なることが証明された。その違いは時に健康に深刻な害をもたらす。

 キラル物質の望ましい形をどう作るかという問題は、カガン氏と硤合氏が不斉反応を実現し、一方の形を多く作り出せるようになるまで解決されなかった。

 この研究の重要性を示す一例は、1960年代初めのサリドマイド薬害だ。鎮静剤サリドマイドが原因で、数千人の子どもに先天異常が生じた。研究者らが分析したところ、害をもたらしたのは有効成分の鏡像体だったことが判明した。

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