[ロンドン 20日 ロイター] by Simon Jessop – ポツダム気候影響研究所(PIK)のヨハン・ロックストローム所長は20日、化石燃料の使用に伴う排出によって地球温暖化が加速し、地球上の極めて重要な生態系の多くが不可逆的な転換点に近づいていると述べた。
同氏は、ロイターの会議「サステナビリティー・ヨーロッパ」で講演し、サンゴ礁やアマゾン熱帯雨林の損傷が回復不能な状態に近づいていると指摘。カリブ海から暖かい海水を運んで西欧の気候を温暖に保つ海流など、大西洋の海洋循環システムの一部も崩壊に近づいていると述べた。
最新の科学的知見では今後数年以内に世界の平均地表温度の上昇幅が摂氏1.5度を超えるとの見通しが確認されており、極端な気象現象の頻度と強度が増すと分析した。
同氏は11月9日に開幕する国連気候変動枠組み条約第31回締約国会議(COP31)を前に、備えを進め、レジリエンス(強靱性)を事業に組み込もうとしている企業は、気候と自然を別個の問題としてでなく一体の課題として扱うべきだと指摘。脱炭素化の取り組みを優先しつつ、自然保護につながる投資も行うべきとし、特に生物多様性や淡水資源の維持・回復に関わる事業を挙げた。
さらに、内燃機関車の段階的廃止に関する規制の緩和を求めるロビー活動は「極めて憂慮すべきだ」と述べ、ガソリンや軽油関連の補助金が消費者の電気自動車(EV)需要を阻害していると指摘した。
