国連世界気象機関(WMO)のロゴ(2007年5月7日撮影)。(c)FABRICE COFFRINI:AFP
【AFP=時事】国連の世界気象機関(WMO)は15日、報告書「オゾン速報2024」を発表し、南極上空のオゾンホールが2024年に縮小していたことを明らかにした。
WMOは、近年と比べて回復傾向が見られ、数十年以内にはオゾンホールが完全になくなる見込みだと発表。「人々と地球の健康にとって歓迎すべき科学的ニュース」だと指摘した。
国連のアントニオ・グテレス事務総長は「今日、オゾン層は回復している」と述べ、「この成果は、各国が科学の警告に耳を傾けるとき、進展が可能であることを思い出させてくれる」と努力を称賛した。
観測された縮小についてWMOは、気象の変化に一部起因しているとしつつ、望ましい長期的な傾向は「国際的な協調行動の成功を反映している」と強調した。報告書は、「オゾン層保護のための国際デー」と、成層圏オゾン層の破壊が世界的な問題として初めて認識されたウィーン条約40周年を記念して公表された。
WMOは、国際的な取り組みにより、これまでにオゾン層破壊物質の生産と消費の99%以上が段階的に廃止されたとし、「その結果、オゾン層は今世紀半ばまでに1980年代のレベルに回復する見込みで、過剰な紫外線曝露による皮膚がんや白内障、エコシステム損傷のリスクが大幅に減少する」と述べた。
2022年の最新評価では、現在の政策が維持されれば、オゾン層は南極上空で2066年ごろ、北極上空で2045年ごろ、また世界の他の地域では2040年ごろに1980年の値に回復するとされた。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件