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NTTドコモ 東京ゲームショウ2019で5G利用のゲーム環境を実現

ドコモ展示ブースに設置された5Gのアンテナ

ドコモ展示ブースに設置された5Gのアンテナ

 東京ゲームショウ2109(主催・一般財団法人コンピュータエンターテインメント協会)が、2019年9月12日から15日まで千葉県の幕張メッセで開催されている。世界40カ国・地域からゲーム関連の展示が集まるこのイベントには約25万人の来場が見込まれている。

東京ゲームショウ2019会場の様子
東京ゲームショウ2019会場の様子

 最新のゲームのお披露目、コスプレをして集まる来場者など毎回変わらぬ風景があるが、ここ数年で徐々に目立つようになってきたのが「eスポーツ」だ。会場内には各々約550名が収容できる2つの特設会場を持つ「e-Sports X」が設営され、そこでは連日、多くの観客を集めて競技会が開催される。

 まるでスポーツ観戦のような、リアルな現場での対戦ゲームの観戦イベントのように、ゲームの楽しみ方は多様化している。オンライン空間においても、ゲームのプレイを楽しむだけでなく、それを観てもらう。その様子を実況する。また観戦者同士がコミュニケーションをするなどといったさまざまな目的で参加者が集まる。こうしたゲーム空間の活況を支える技術として期待されているのが5G通信だ。

NTTドコモの展示ブースにて
NTTドコモの展示ブースにて

 今回の東京ゲームショウ2019ではNTTドコモがオフィシャル5G・通信スポンサーとなっている。「ドコモの5Gで。ゲームが変わる」と銘打ち、その展示ブースでは実際に5G通信環境を整え、最大100名がモバイル端末から対戦ゲームに参加できる環境や、対戦するゲームのキャラクターをAR環境で観戦できるコーナーなどを設けた。

 5G通信の特徴である「大容量、同時多接続、低遅延」はなるほど進化するゲームにはもってこいの特性だ。5Gの通信環境が隈なく整備されれば、どこからでも充実したゲーム空間に参加できるようになり、ゲームの可能性はより広がるだろう。

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NTTドコモ 東京ゲームショウ2019で5G利用のゲーム環境を実現
NTTドコモ 東京ゲームショウ2019で5G利用のゲーム環境を実現

 しかし、関係者の話を聞くと、5Gでのゲーム環境が広く普及するにはまだまだ時間がかかりそうな予感がする。例えば、直進が高く、有効距離が短い電波を利用するゆえに、この会場のブースエリアでさえも、隅々まで届くように電波を吹かせる調整は難しかったとのこと。また、通信エリア整備の問題以外にも、大容量回線を行き交うデータを端末が処理しきれずにボトルネックとなる可能性も指摘された。基調講演「5Gインパクト~5Gによって“ゲームチェンジ”は起こるか?」の中では、通信側が低遅延でも、現在のスマホのタッチの入力検知や表示の周期では、操作や表示の段階で遅延が発生してしまうという指摘があった。また処理すべきデータ量も増えるため端末の発熱やバッテリーの問題もある。

 さらに、5Gの特性をフルに活用するには、バックボーンの有線部分も含めてネットワーク全体が均質であることが望ましい。NTTドコモではドコモ網内にゲームなどのアセットを置くことができる「ドコモオープンイノベーションクラウド」を提供するといった計画などもあるが、これとて利用料の問題がある。いくら優れた通信環境であってもそのコストは利用者が負担するということになれば、それが普及の妨げになる。

 こうした課題はゲームだけが直面するのではなく、5Gを活用しようとするどんなサービスにも共通の問題だ。しかし、これらの問題も今後、実際にサービスを提供することによって積み上げられるノウハウと技術改良によって、いずれは解消されていくだろう。

 総務省は7月の末にドコモ、KDDI、ソフトバンクに対して5Gの商用基地局の免許交付行った。それを利用してドコモでは9月20日からのラグビーワールドカップの試合会場で5Gを利用したサービスを提供する予定になっている。中国や韓国のみならず、海外ではすでに5Gの商用サービスがスタートしており、それらの国々では日本に先んじて実用化のノウハウを積み重ねているはずだ。ゲームの例を見てわかるように、通信環境の進化と歩調を合わせて、それを利用する周辺技術やサービスも進化を遂げることになる。日本においても一刻も早く5Gが普及し、ゲームなどの進化をリードしてくれることを期待したい。

北元均 Written by
朝日新聞社にてデジタルメディア全般を手掛ける。「kotobank.jp」の創設。「asahi.com(現朝日新聞デジタル)」編集長を経て、朝日新聞出版にて「dot.(現AERAdot.)」を立ち上げ、統括。現在は「DG Lab Haus」編集長。