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「デジタル蔵経洞」で味わう敦煌文化

「デジタル蔵経洞」の莫高窟三層楼に関する説明(資料写真)。(c)Xinhua News

「デジタル蔵経洞」の莫高窟三層楼に関する説明(資料写真)。(c)Xinhua News

 【新華社蘭州4月24日】中国甘粛省(Gansu)敦煌市(Dunhuang)にある世界文化遺産、莫高窟(ばっこうくつ)で発見された文物を研究する「敦煌学」の研究成果とゲーム技術を融合させた「デジタル蔵経洞」がこのほど、公開された。

 敦煌学は「国際的な学問」と言われ、中でも「蔵経洞」と呼ばれる莫高窟第17窟は「20世紀最大の考古学的発見の一つ」とされる。4世紀から11世紀にかけて出土した数万点に上る文物は、敦煌学の重要な研究資料となっている。

 デジタル蔵経洞では、現実空間にある物体などを仮想空間上に双子のように再現するデジタルツインなどの技術を駆使して、洞窟内の文物や収蔵品を再現。利用者はさまざまなキャラクターとなって、晩唐や北宋、清末に「タイムスリップ」し、唐代の敦煌の高僧、洪辯(Hong Bian)法師など歴史上の人物8人と交流できるほか、洞窟の造営や経典の安置などさまざまなシーンを体験でき、敦煌文化への没入感を味わえる。

 敦煌研究院文献研究所の趙暁星(Zhao Xiaoxing)所長によると、デジタル蔵経洞の開発過程では、学者らが関連する文献や建物、音楽などについて入念な時代考証を行った。

「三界寺は歴史上、莫高窟の近くにあったとされる有名な寺院だが、今なお遺跡は見つかっていない。われわれは敦煌の文献や壁画に描かれた寺院の絵や莫高窟周辺に現存する古い建物などを組み合わせて、歴史上の特徴に一致する三界寺をデジタル空間に再現した」と語った。

 デジタル蔵経洞は国家文物局の指導により、敦煌研究院と中国IT大手の騰訊控股(テンセント、Tencent)が共同で作成した。英語や日本語、韓国語など外国語版の準備も進めているという。(記者/張玉潔)【翻訳編集】Xinhua News/AFPBB News|使用条件