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乳がん健診、AI導入で診断効率化に期待 スウェーデン研究

モロッコの砂漠に人文字で描かれた乳がん啓発運動のシンボル「ピンクリボン」(2012年10月16日撮影)。(c)JULIEN ROCHER : FLASHSPORT : AFP

モロッコの砂漠に人文字で描かれた乳がん啓発運動のシンボル「ピンクリボン」(2012年10月16日撮影)。(c)JULIEN ROCHER : FLASHSPORT : AFP

【AFP=時事】乳がんの定期健診で行われる画像検査の分析に人工知能(AI)を導入することで、診断の大幅な効率化が期待できるとする研究結果が2日、スウェーデンで発表された。ただし、実際の乳がん健診でAIを広く活用するにはさらなる研究が必要だとしている。

 AIはその応用可能性が広く期待されているが、すでに有効性が示されている分野の一つが医療用画像の読影だ。放射線科医が不足する国が多い中、AIの導入で時間のかかる画像診断が迅速かつ正確に行えるようになるのではないかと見込まれている。中でも注目されているのが、乳がん健診でのAI活用だ。 欧州では50~69歳の女性に2年に1回の乳房エックス線(マンモグラフィー)検査が推奨されており、現在は2人の放射線科医が画像を診断している。

 スウェーデンでは2021年4月~昨年7月、南西部の4か所でマンモグラフィーを受けた女性8万人の画像診断で、試験的にAIが導入された。

 撮影された画像は従来の放射線科医2人による診断か、AI支援システムによる診断に無作為に振り分けられた。後者ではAIのアルゴリズムが画像を読み取り、がんのリスクを10段階で予測し、放射線科医1人がそれをチェックした。

 その結果、AI支援システムは20%多くがんを発見。また画像診断に関わる放射線科医が2人から1人になったことで、全体の仕事量は44%削減された。

 一方、AIによる読影が、定期検診の合間で見つかる中間期がん(インターバルキャンサー)の抑制につながるかどうかをこの研究で判断できるまでにはあと2年かかるとチームは述べている。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件