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中国の研究チーム、農業廃棄物からバイオ由来の有機化合物を生成

固体酸触媒と全細胞触媒によるバイオ由来のフルフリルアルコール合成の概略図。(c)Xinhua News

固体酸触媒と全細胞触媒によるバイオ由来のフルフリルアルコール合成の概略図。(c)Xinhua News

【Xinhua News】中国農業科学院油料作物研究所はこのほど、同研究所の油料品質・加工利用イノベーションチームが、固体酸触媒と全細胞触媒を用いて廃棄トウモロコシの芯からバイオ由来のフルフリルアルコールを効率的に合成することに成功したと明らかにした。研究成果は国際的な学術誌「グリーンケミストリー」に掲載された。

 フルフリルアルコールには抗酸化や抗炎症、抗菌、抗ウイルス、食品の賞味期限延長などの生物活性があることから、食品や医薬品、日用化学製品などで幅広く使われている。今回の研究は、農業廃棄物資源を高付加価値製品へ効率的に変える新たな手段を生み出したことになる。

 研究チームは、新たに開発した固体酸触媒とマイクロ波で加水分解したトウモロコシの芯を組み合わせて中間体のフルフラールを生成。同時に遺伝子組み換え技術を用いて、還元酵素とギ酸デヒドロゲナーゼを含む遺伝子組み換え大腸菌の全細胞触媒を構築し、磁性アルギン酸ナトリウムのヒドロゲル固定化技術と組み合わせた。これにより、触媒活性が低く、安定性に欠け、循環利用が難しいという問題点を克服し、フルフラールからフルフリルアルコールへの効率的なバイオトランスフォーメーションを実現した。

 研究プロジェクトを主導した中国農業科学院油料作物研究所の鄭明明(Zheng Mingming)研究員によると、今回の技術は化学触媒と全細胞触媒により農業廃棄物のトウモロコシの芯からフルフリルアルコールを効率的に合成する新たな方法を生み出しており、食品や医薬品、日用化学品などでの応用が期待される。(記者/侯文坤)【翻訳編集】Xinhua News/AFPBB News|使用条件