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中国の科学者、アルツハイマー病の新たな治療法を開発

中国にある脳神経疾患研究室の研究者(2021年11月9日撮影、資料写真)。(c)CNS:陳驥旻

中国にある脳神経疾患研究室の研究者(2021年11月9日撮影、資料写真)。(c)CNS:陳驥旻

【東方新報】中国の科学者が、アルツハイマー病を治療する可能性のある顆粒(かりゅう)を開発したと、11月9日の学術誌「Nature Aging」に発表した。

 江蘇省(Jiangsu)無錫市(Wuxi)にある江南大学(Jiangnan University)の胥傳来(Xu Chuanlai)教授が率いる研究チームは、物理学におけるキラリティーの性質を利用して顆粒を開発した。キラリティ―とは、3次元の物体や現象が、その鏡像と重ならない性質のことである。

「同じ内容で作られたものでも、キラリティーの違いによって異なる活性を示すことがあります」と、論文の共著者である同大学の匡華(Kuang Hua)教授は述べた。

 論文によれば、アルツハイマー病の実験用ラットに、左回りのキラリティーを持つ顆粒を摂取させたところ、行動が著しく改善したという。また、ラットの脳のスライスでは、神経炎症因子が90パーセント近く減少した。

 顆粒を投与したラットの腸内細菌叢を他のアルツハイマー病ラットに移植したところ、後者の認知機能にも回復の兆しが見られたという。

 研究チームは同位体標識を使って、顆粒がラットの腸に入った後、生命維持に不可欠なアミノ酸であるトリプトファンのインドール-3-酢酸(IAA)への代謝を促進し、腸脳軸を介して脳に入り、脳の炎症を緩和し、脳神経細胞の一部の機能を回復させることを発見した、と発表した。

 また、アルツハイマー病患者の血清や脳液中のIAAの濃度は、同年齢の健常な人に比べて有意に低く、IAAがアルツハイマー病と闘う上で重要な役割を果たしていることが示唆された。「アルツハイマー病を完全に打ち負かす薬は見つかっていないため、この研究はアルツハイマー病のような退行性疾患における治療の可能性を提供するものです」と胥教授は語った。【翻訳編集】東方新報/AFPBB News|使用条件