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海洋プラスチックごみ問題に取り組む「藍色循環」プロジェクト 中国浙江省

製品の「海洋プラスチック可視化コード」をスキャンすることで専用アプリ上に示されるプラスチック再利用状況(2023年10月30日撮影)。(c)Xinhua News

製品の「海洋プラスチック可視化コード」をスキャンすることで専用アプリ上に示されるプラスチック再利用状況(2023年10月30日撮影)。(c)Xinhua News

【新華社杭州】海洋プラスチック汚染は、世界的な海洋生態環境における顕著な問題の一つとなっている。中国浙江省では現在、低所得者層や漁民6300人余り、船舶1万180隻、企業230社以上が共同で取り組む海洋プラスチックごみ対策の新たなモデル「藍色循環(ブルーサークル)」が沿岸海域のプラスチック汚染改善に貢献している。

領海・内水面積4万4千平方キロ、沿岸島しょ3千余り、海岸線2254キロを有する「海洋大省」の同省は、2020年から「藍色循環」によって海洋廃棄物1万トン超を回収、処理してきた。

同省台州市路橋区黄礁島の漁民、陳夏芳(ちん・かほう)さん(74)は、空いた時間を利用して海岸でプラスチック廃棄物を回収し、「小藍之家」に届けている。「小藍之家」は、「藍色循環」モデルの海洋廃棄物回収・保管ステーションで、海洋プラスチックごみの統一的な回収、整理を担っている。

「藍色循環」モデルでは、回収した海洋プラスチックごみは圧縮、破砕され、造粒工場でプラスチック粒子に加工される。そこから国際的な生態環境理念に合致した高付加価値プラスチック製品が生産され、製品販売後の収益は、海洋プラスチック回収に参加した個人に還元される。

多くの製造企業は、企業の社会的責任を果たすため、海洋プラスチックを再生した粒子を調達することに前向きだが、回収されたプラスチック粒子にトレーサビリティー認証が必要であることに課題がある。この課題を解決するため「藍色循環」は、原材料の回収、保管、輸送、転送、再生の履歴をさかのぼることができる、ブロックチェーン技術に基づくトレーサビリティーシステムを開発した。

「藍色循環」プロジェクトは、23年10月、国連で最高の環境賞「地球大賞(UN Champions of the Earth Awards)」を受賞し、24年4月、「国連海洋科学の10年」中国委員会などの機関と共同でグローバルな提言書を発表、「藍色循環」に参加して「海洋の未来」を共に築き、世界中でまだ効果的に管理されていない海岸線15万キロの管理を行うことを各界に呼びかけた。(記者/朱涵、王俊禄)【翻訳編集】Xinhua News/AFPBB News|使用条件