地中海(2023年9月21日撮影、資料写真)。(c)Valery HACHE:AFP
【AFP=時事】地球上でこれまでに検出された中で、過去最大のエネルギーを持つニュートリノが、地中海の海底にある未完成の観測所で観測された。研究論文が12日、科学誌「ネイチャー」に発表された。このニュートリノの発生源は、銀河系の外側にあるとされた。
ニュートリノは電荷を持たず、質量もほぼない粒子で、超新星爆発や中性子星の衝突、または超大質量ブラックホールの強力な吸引などによって生成される。
ニュートリノの検出は非常に難しいが、ニュートリノが水中を通過する際に「チェレンコフ光」と呼ばれる青白い光を放つ。この光を非常に敏感なセンサーで観測することによって、ニュートリノの存在を確認することができる。観測には大量の水が必要となるため、検出器は地中海の底に設置されている。
この欧州主導の施設は現在も建設中であるが、2023年2月13日にニュートリノの信号を検出。観測網全体の約3割の検出器でこの信号を感知した。
解析の結果、このニュートリノの推定エネルギーは220ペタ電子ボルト(220京電子ボルト)であることが判明した。このエネルギーを持つニュートリノが地球上で観測されるのは初めてのこととなった。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件